【ポチひとしは】Fuhua 2つ目【スレ出禁】

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1名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/02(土) 09:42:03.19
SILENT SIRENすぅプロデュース ⟡ 8人組IDOL ⟡ 「#Fuhua 」໒꒱·゚( #ふーふぁ) が誕生🥚💕アノン・ウララ・スズナ・ナエ・ナツキ・ハルコ・ミユ・リリサ 🅿→ @sumiredooon💌のスレッドです

公式サイト
https://fuhua.jp/

※スレ荒らし埋め立て常習者ポチひとしは当スレ出禁
2名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/02(土) 12:23:17.39
>>1
新スレ乙です。
2023/12/02(土) 12:56:52.76
この児童ポルノマニアの中国人に要注意!

U-15ジュニアアイドル板閉鎖の元凶
児ポ吉100選(60代無職 児童ポルノ収集家 中国人)
https://i.imgur.com/8rX27Kl.jpeg

Hey!Mommy! ライブ
https://i.imgur.com/R7Z0Irg.jpeg
赤い服黒マスク男の左斜め2つ後ろの白髪小太り爺

欲バリセンセーション ライブ
https://i.imgur.com/lq5eHy8.jpeg
物販Tシャツ着てない最前列右側黒Tシャツの後ろ4列目の白髪小太り爺
4名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/02(土) 12:57:13.68
【U-15板閉鎖の元凶はこの在日中国人】

U-15板における児童ポルノ投稿常習犯児ポ吉100選(60代無職 中国人 児童ポルノマニア)

児ポ吉100選は2022年11月にAce★氏にU-15板に女子小学生の極小眼帯ビキニを含む過激IV画像を添付した長文レビューを160レス以上 児童ポルノとして一斉削除される

Ace★氏、削除議論児童ポルノで警告
22 Dele Ace ★ 2022/11/19(土) 08:12:36.92 ID:CAP_USER
今は削除で対応していますが、
今後も同じように継続する場合には板閉鎖を検討しなければならなくなります。
そのような事態にならないようお願いいたします。

Ace★氏のこの警告のわずか4日後、
Ace ★氏を逆恨みした児ポ吉100選は事もあろうに運営板の児童ポルノ削除議論に削除された過激IV画像を添付した長文レビューを150件再投稿するという前代未聞の異常な荒らしを行う

2022年11月に児ポ吉100選は
Ace★氏に3回、U-15板住人に2回、削除花果★氏に1回 合計6回荒らし報告され浪人BAN

2023年1月は浪人BAN 5回
2023年3月は浪人BAN 1回

2023年3月1日にAce ★氏 U-15板閉鎖を発表
2023年3月15日 書き込み停止・31日閉鎖
https://i.imgur.com/Jct7UM6.jpg
5名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/02(土) 12:57:31.39
【児ポ吉100選の惨めな現実】

・運営やスレ住人から荒らし報告されアク禁規制、浪人を焼かれる(その回数2桁)

・U-15ジュニアアイドル板でIV画像を添付した長文レビュー数百件はAce★に徹底的に削除される

・児ポ吉100選が立てたスレをAce★に削除されまくる

・2023年4月1日付でAce★にU-15ジュニアアイドルを閉鎖される

・複数のキャップ★から叱られる

・多くのスレ住人から叱られる

・統括Ace★からは無視すると通告される

・香味焙煎 ★(◆Coffee/dNk)からは児ポ吉と呼ばれ荒らし扱い

・関わったスレ住人からは漏れなく嫌われている

・孤立無援、四面楚歌

・ウソをついてもその度に過去レス掘られて証拠を示され暴かれる

・虚勢を張ってもその度に矛盾点を突かれる

・大口を叩いてもその度に有言不実行を指摘される

・全敗記録更新中だが謎の精神的勝利で負け惜しみを言うのでますます嘲笑される

・児ポ吉100選の醜い顔画像を延べ10万人に閲覧され、U-15板閉鎖の原因を作った児童ポルノ異常マニアと周知される
https://i.imgur.com/dsUVvyK.jpg
6名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/02(土) 12:58:13.67
U-15ジュニアアイドル板閉鎖の元凶
児ポ吉100選(60代 児童ポルノ収集家)
https://i.imgur.com/Lu5a3Hb.jpg
https://i.imgur.com/Lu5a3Hb.jpg
https://i.imgur.com/Lu5a3Hb.jpg
7名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/02(土) 12:58:30.53
【児童ポルノバカの顔、累計閲覧数 10万回破!!!】
https://i.imgur.com/i1KhpTh.jpg
https://www.sawasaki.biz/blog/ee9e1075bd060f587eeea1f792c197d8.png

累計閲覧数 10万回突破!!!
どうです?皆さん!すごいでしょう~
8名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/02(土) 12:58:39.26
削除依頼スレで、Ace★は他の荒らしは削除するのに

児ポ吉100選顔画像を残すあたり、この画像はAce★公認らしいな

削除スレに貼ってもokらしい(笑)↓

https://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/housekeeping/1696417371/404
https://i.imgur.com/Jct7UM6.jpg
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31名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 09:25:07.06
博士になり、教授になり、空むなしき名を空しく世間に謳うたわるるがため、その反響が妻君の胸に轟とどろいて、急に夫おっとの待遇を変えるならばこの細君は夫の知己ちきとは云えぬ。世の中が夫を遇する朝夕ちょうせきの模様で、夫の価値を朝夕に変える細君は、夫を評価する上において、世間並せけんなみの一人である。嫁とつがぬ前、名を知らぬ前、の己おのれと異なるところがない。従って夫から見ればあかの他人である。夫を知る点において嫁ぐ前と嫁ぐ後のちとに変りがなければ、少なくともこの点において細君らしいところがないのである。世界はこの細君らしからぬ細君をもって充満している。
32名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 09:25:52.38
道也は自分の妻さいをやはりこの同類と心得ているだろうか。至る所に容いれられぬ上に、至る所に起居を共にする細君さえ自分を解してくれないのだと悟ったら、定めて心細いだろう。
 世の中はかかる細君をもって充満していると云った。かかる細君をもって充満しておりながら、皆円満にくらしている。順境にある者が細君の心事をここまでに解剖する必要がない。皮膚病に罹かかればこそ皮膚の研究が必要になる。病気も無いのに汚ないものを顕微鏡けんびきょうで眺ながめるのは、事なきに苦しんで肥柄杓こえびしゃくを振り廻すと一般である。ただこの順境が一転して逆落さかおとしに運命の淵ふちへころがり込む時、いかな夫婦の間にも気まずい事が起る。親子の覊絆きずなもぽつりと切れる。美くしいのは血の上を薄く蔽おおう皮の事であったと気がつく。道也はどこまで気がついたか知らぬ。
33名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 09:26:33.59
道也の三たび去ったのは、好んで自から窮地に陥おちいるためではない。罪もない妻に苦労を掛けるためではなおさらない。世間が己おのれを容れぬから仕方がないのである。世が容れぬならなぜこちらから世に容れられようとはせぬ? 世に容れられようとする刹那せつなに道也は奇麗きれいに消滅してしまうからである。道也は人格において流俗りゅうぞくより高いと自信している。流俗より高ければ高いほど、低いものの手を引いて、高い方へ導いてやるのが責任である。高いと知りながらも低きにつくのは、自から多年の教育を受けながら、この教育の結果がもたらした財宝を床下ゆかしたに埋うずむるようなものである。自分の人格を他に及ぼさぬ以上は、せっかくに築き上げた人格は、築きあげぬ昔と同じく無功力で、築き上げた労力だけを徒費した訳になる。英語を教え、歴史を教え、ある時は倫理さえ教えたのは、人格の修養に附随して蓄たくわえられた、芸を教えたのである。
34名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 09:27:12.66
単にこの芸を目的にして学問をしたならば、教場で書物を開いてさえいれば済む。書物を開いて飯を食って満足しているのは綱渡りが綱を渡って飯を食い、皿廻しが皿を廻わして飯を食うのと理論において異なるところはない。学問は綱渡りや皿廻しとは違う。芸を覚えるのは末の事である。人間が出来上るのが目的である。大小の区別のつく、軽重けいちょうの等差を知る、好悪こうおの判然する、善悪の分界を呑のみ込んだ、賢愚、真偽、正邪の批判を謬あやまらざる大丈夫が出来上がるのが目的である。
 道也はこう考えている。だから芸を售うって口を糊こするのを恥辱とせぬと同時に、学問の根底たる立脚地を離るるのを深く陋劣ろうれつと心得た。彼が至る所に容れられぬのは、学問の本体に根拠地を構えての上の去就きょしゅうであるから、彼自身は内に顧かえりみて疚やましいところもなければ、意気地がないとも思いつかぬ。頑愚がんぐなどと云う嘲罵ちょうばは、掌てのひらへ載のせて、夏の日の南軒なんけんに、虫眼鏡むしめがねで検査しても了解が出来ん。
35名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 09:28:12.65
三度みたび教師となって三度追い出された彼は、追い出されるたびに博士よりも偉大な手柄てがらを立てたつもりでいる。博士はえらかろう、しかしたかが芸で取る称号である。富豪が製艦費を献納して従五位じゅごいをちょうだいするのと大した変りはない。道也が追い出されたのは道也の人物が高いからである。正しき人は神の造れるすべてのうちにて最も尊きものなりとは西の国の詩人の言葉だ。道を守るものは神よりも貴たっとしとは道也が追わるるごとに心のうちで繰り返す文句である。ただし妻君はかつてこの文句を道也の口から聞いた事がない。聞いても分かるまい。
36名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 09:28:44.26
わからねばこそ餓うえ死じにもせぬ先から、夫に対して不平なのである。不平な妻さいを気の毒と思わぬほどの道也ではない。ただ妻の歓心を得るために吾わが行く道を曲げぬだけが普通の夫と違うのである。世は単に人と呼ぶ。娶めとれば夫である。交まじわれば友である。手を引けば兄、引かるれば弟である。社会に立てば先覚者にもなる。校舎に入れば教師に違いない。
37名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 09:29:08.92
さるを単に人と呼ぶ。人と呼んで事足るほどの世間なら単純である。妻君は常にこの単純な世界に住んでいる。妻君の世界には夫としての道也のほかには学者としての道也もない、志士としての道也もない。道を守り俗に抗する道也はなおさらない。夫が行く先き先きで評判が悪くなるのは、夫の才が足らぬからで、到いたる所に職を辞するのは、自から求むる酔興すいきょうにほかならんとまで考えている。
38名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 09:29:39.68
酔興を三たび重ねて、東京へ出て来た道也は、もう田舎いなかへは行かぬと言い出した。教師ももうやらぬと妻君に打ち明けた。学校に愛想をつかした彼は、愛想をつかした社会状態を矯正きょうせいするには筆の力によらねばならぬと悟ったのである。今まではいずこの果はてで、どんな職業をしようとも、己おのれさえ真直であれば曲がったものは苧殻おがらのように向うで折れべきものと心得ていた。盛名はわが望むところではない。威望もわが欲するところではない。ただわが人格の力で、未来の国民をかたちづくる青年に、向上の眼まなこを開かしむるため、取捨分別しゅしゃふんべつの好例を自家身上に示せば足るとのみ思い込んで、思い込んだ通りを六年余り実行して、見事に失敗したのである。
39名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 09:30:14.74
渡る世間に鬼はないと云うから、同情は正しき所、高き所、物の理窟りくつのよく分かる所に聚あつまると早合点はやがてんして、この年月としつきを今度こそ、今度こそ、と経験の足らぬ吾身わがみに、待ち受けたのは生涯しょうがいの誤りである。世はわが思うほどに高尚なものではない、鑑識のあるものでもない。同情とは強きもの、富めるものにのみ随したがう影にほかならぬ。
 ここまで進んでおらぬ世を買い被かぶって、一足飛いっそくとびに田舎へ行ったのは、地ならしをせぬ地面の上へ丈夫な家を建てようとあせるようなものだ。建てかけるが早いか、風と云い雨と云う曲者くせものが来て壊こわしてしまう。地ならしをするか、雨風あめかぜを退治たいじるかせぬうちは、落ちついてこの世に住めぬ。落ちついて住めぬ世を住めるようにしてやるのが天下の士の仕事である。
40名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 09:31:04.69
 金かねも勢いきおいもないものが天下の士に恥じぬ事業を成すには筆の力に頼らねばならぬ。舌の援たすけを藉からねばならぬ。脳味噌のうみそを圧搾あっさくして利他りたの智慧ちえを絞しぼらねばならぬ。脳味噌は涸かれる、舌は爛ただれる、筆は何本でも折れる、それでも世の中が云う事を聞かなければそれまでである。
 しかし天下の士といえども食わずには働けない。よし自分だけは食わんで済むとしても、妻は食わずに辛抱しんぼうする気遣きづかいはない。豊かに妻を養わぬ夫は、妻の眼から見れば大罪人である。今年の春、田舎から出て来て、芝琴平町しばことひらちょうの安宿へ着いた時、道也と妻君の間にはこんな会話が起った。
「教師をおやめなさるって、これから何をなさるおつもりですか」
「別にこれと云うつもりもないがね、まあ、そのうち、どうかなるだろう」
「その内うちどうかなるだろうって、それじゃまるで雲を攫つかむような話しじゃありませんか」
「そうさな。あんまり判然はんぜんとしちゃいない」
「そう呑気のんきじゃ困りますわ。あなたは男だからそれでようござんしょうが、ちっとは私の身にもなって見て下さらなくっちゃあ……」
「だからさ、もう田舎へは行かない、教師にもならない事にきめたんだよ」
「きめるのは御勝手ですけれども、きめたって月給が取れなけりゃ仕方がないじゃありませんか」
「月給がとれなくっても金がとれれば、よかろう」
「金がとれれば……そりゃようござんすとも」
「そんなら、いいさ」
「いいさって、御金がとれるんですか、あなた」
41名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 09:31:50.18
「そうさ、まあ取れるだろうと思うのさ」
「どうして?」
「そこは今考え中だ。そう着ちゃく、早々そうそう計画が立つものか」
「だから心配になるんですわ。いくら東京にいるときめたって、きめただけの思案しあんじゃ仕方がないじゃありませんか」
「どうも御前おまえはむやみに心配性でいけない」
「心配もしますわ、どこへいらしっても折合おりあいがわるくっちゃ、おやめになるんですもの。私が心配性なら、あなたはよっぽど癇癪持かんしゃくもちですわ」
「そうかも知れない。しかしおれの癇癪は……まあ、いいや。どうにか東京で食えるようにするから」
「御兄おあにいさんの所へいらしって御頼みなすったら、どうでしょう」
「うん、それも好いがね。兄はいったい人の世話なんかする男じゃないよ」
「あら、そう何でも一人できめて御おしまいになるから悪るいんですわ。昨日きのうもあんなに親切にいろいろ言って下さったじゃありませんか」
「昨日か。昨日はいろいろ世話を焼くような事を言った。言ったがね……」
「言ってもいけないんですか」
「いけなかないよ。言うのは結構だが……あんまり当あてにならないからな」
「なぜ?」
「なぜって、その内だんだんわかるさ」
「じゃ御友達の方にでも願って、あしたからでも運動をなすったらいいでしょう」
「友達って別に友達なんかありゃしない。同級生はみんな散ってしまった」
「だって毎年年始状を御寄およこしになる足立あだちさんなんか東京で立派にしていらっしゃるじゃありませんか」
「足立か、うん、大学教授だね」
42名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 09:32:20.66
「そう、あなたのように高くばかり構えていらっしゃるから人に嫌きらわれるんですよ。大学教授だねって、大学の先生になりゃ結構じゃありませんか」
「そうかね。じゃ足立の所へでも行って頼んで見ようよ。しかし金さえ取れれば必ず足立の所へ行く必要はなかろう」
「あら、まだあんな事を云っていらっしゃる。あなたはよっぽど強情ね」
「うん、おれはよっぽど強情だよ」
NGNG
あぼーん
NGNG
あぼーん
45名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 10:17:02.67
取次に出たのは十八九のしとやかな下女である。白井道也しらいどうやと云いう名刺を受取ったまま、あの若旦那様で? と聞く。道也先生は首を傾かたむけてちょっと考えた。若旦那にも大旦那にも中野と云う人に逢うのは今が始めてである。ことによるとまるで逢えないで帰るかも計はかられん。若旦那か大旦那かは逢って始めてわかるのである。あるいは分らないで生涯しょうがいそれぎりになるかも知れない。今まで訪問に出懸でかけて、年寄か、小供か、跛ちんばか、眼っかちか、要領を得る前に門前から追い還かえされた事は何遍もある。追い還されさえしなければ大旦那か若旦那かは問うところでない。しかし聞かれた以上はどっちか片づけなければならん。どうでもいい事を、どうでもよくないように決断しろと逼せまらるる事は賢者けんじゃが愚物ぐぶつに対して払う租税である。
「大学を御卒業になった方ほうの……」とまで云ったが、ことによると、おやじも大学を卒業しているかも知れんと心づいたから
「あの文学をおやりになる」と訂正した。下女は何とも云わずに御辞儀おじぎをして立って行く。白足袋しろたびの裏だけが目立ってよごれて見える。道也先生の頭の上には丸く鉄を鋳抜いぬいた、かな灯籠どうろうがぶら下がっている。波に千鳥をすかして、すかした所に紙が張ってある。このなかへ、どうしたら灯ひがつけられるのかと、先生は仰向あおむいて長い鎖くさりを眺ながめながら考えた。
NGNG
あぼーん
47名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 10:18:23.81
下女がまた出てくる。どうぞこちらへと云う。道也先生は親指の凹くぼんで、前緒まえおのゆるんだ下駄を立派な沓脱くつぬぎへ残して、ひょろ長い糸瓜へちまのようなからだを下女の後ろから運んで行く。
 応接間は西洋式に出来ている。丸い卓テーブルには、薔薇ばらの花を模様に崩くずした五六輪を、淡い色で織り出したテーブル掛かけを、雑作ぞうさもなく引き被かぶせて、末は同じ色合の絨毯じゅうたんと、続つづくがごとく、切れたるがごとく、波を描えがいて床ゆかの上に落ちている。暖炉だんろは塞ふさいだままの一尺前に、二枚折にまいおりの小屏風こびょうぶを穴隠しに立ててある。窓掛は緞子どんすの海老茶色えびちゃいろだから少々全体の装飾上調和を破るようだが、そんな事は道也先生の眼には入いらない。先生は生れてからいまだかつてこんな奇麗きれいな室へやへ這入はいった事はないのである。
 先生は仰いで壁間へきかんの額を見た。京の舞子が友禅ゆうぜんの振袖ふりそでに鼓つづみを調べている。今打って、鼓から、白い指が弾はじき返されたばかりの姿が、小指の先までよくあらわれている。しかし、そんな事に気のつく道也先生ではない。先生はただ気品のない画えを掛けたものだと思ったばかりである。向むこうの隅すみにヌーボー式の書棚があって、美しい洋書の一部が、窓掛の隙間すきまから洩もれて射さす光線に、金文字の甲羅こうらを干ほしている。なかなか立派である。しかし道也先生これには毫ごうも辟易へきえきしなかった。
48名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 10:18:37.08
ところへ中野君が出てくる。紬つむぎの綿入に縮緬ちりめんの兵子帯へこおびをぐるぐる巻きつけて、金縁きんぶちの眼鏡越めがねごしに、道也先生をまぼしそうに見て、「や、御待たせ申しまして」と椅子へ腰をおろす。
 道也先生は、あやしげな、銘仙めいせんの上を蔽おおうに黒木綿くろもめんの紋付をもってして、嘉平次平かへいじひらの下へ両手を入れたまま、
「どうも御邪魔をします」と挨拶あいさつをする。泰然たいぜんたるものだ。
 中野君は挨拶が済んでからも、依然としてまぼしそうにしていたが、やがて思い切った調子で
「あなたが、白井道也とおっしゃるんで」と大おおいなる好奇心をもって聞いた。聞かんでも名刺を見ればわかるはずだ。それをかように聞くのは世馴よなれぬ文学士だからである。
49名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 10:19:29.34
「はい」と道也先生は落ちついている。中野君のあては外はずれた。中野君は名刺を見た時はっと思って、頭のなかは追い出された中学校の教師だけになっている。可哀想かわいそうだと云う念頭に尾羽おはうち枯らした姿を目前に見て、あなたが、あの中学校で生徒からいじめられた白井さんですかと聞き糺ただしたくてならない。いくら気の毒でも白井違いで気の毒がったのでは役に立たない。気の毒がるためには、聞き糺すためには「あなたが白井道也とおっしゃるんで」と切り出さなくってはならなかった。しかしせっかくの切り出しようも泰然たる「はい」のために無駄死むだじにをしてしまった。初心しょしんなる文学士は二の句をつぐ元気も作略さりゃくもないのである。人に同情を寄せたいと思うとき、向むこうが泰然の具足で身を固めていては芝居にはならん。器用なものはこの泰然の一角いっかくを針で突き透とおしても思おもいを遂とげる。中野君は好人物ながらそれほどに人を取り扱い得るほど世の中を知らない。
「実は今日御邪魔に上がったのは、少々御願があって参ったのですが」と今度は道也先生の方から打って出る。御願は同情の好敵手である。御願を持たない人には同情する張り合がない。
「はあ、何でも出来ます事なら」と中野君は快く承知した。
「実は今度江湖雑誌こうこざっしで現代青年の煩悶はんもんに対する解決と云う題で諸先生方の御高説を発表する計画がありまして、それで普通の大家ばかりでは面白くないと云うので、なるべく新しい方もそれぞれ訪問する訳になりましたので――そこで実はちょっと往って来てくれと頼まれて来たのですが、御差支おさしつかえがなければ、御話を筆記して参りたいと思います」
NGNG
あぼーん
51名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 10:20:46.75
この人のひなの祭りという作品には感心した
戦隊シリーズにも出てたのだな
NGNG
あぼーん
53名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 10:22:43.13
 道也先生は静かに懐ふところから手帳と鉛筆を取り出した。取り出しはしたものの別に筆記したい様子もなければ強しいて話させたい景色けしきも見えない。彼はかかる愚ぐな問題を、かかる青年の口から解決して貰いたいとは考えていない。
「なるほど」と青年は、耀かがやく眼を挙あげて、道也先生を見たが、先生は宵越よいごしの麦酒ビールのごとく気の抜けた顔をしているので、今度は「さよう」と長く引っ張って下を向いてしまった。
「どうでしょう、何か御説はありますまいか」と催促を義理ずくめにする。ありませんと云ったら、すぐ帰る気かも知れない。
「そうですね。あったって、僕のようなものの云う事は雑誌へ載のせる価値はありませんよ」
「いえ結構です」
「全体どこから、聞いていらしったんです。あまり突然じゃ纏まとまった話の出来るはずがないですから」
「御名前は社主が折々雑誌の上で拝見するそうで」
「いえ、どうしまして」と中野君は横を向いた。
「何でもよいですから、少し御話し下さい」
「そうですね」と青年は窓の外を見て躊躇ちゅうちょしている。
「せっかく来たものですから」
「じゃ何か話しましょう」
「はあ、どうぞ」と道也先生鉛筆を取り上げた。
「いったい煩悶と云う言葉は近頃だいぶはやるようだが、大抵は当座のもので、いわゆる三日坊主みっかぼうずのものが多い。そんな種類の煩悶は世の中が始まってから、世の中がなくなるまで続くので、ちっとも問題にはならないでしょう」
「ふん」と道也先生は下を向いたなり、鉛筆を動かしている。紙の上を滑すべらす音が耳立って聞える。
「しかし多くの青年が一度は必ず陥おちいる、また必ず陥るべく自然から要求せられている深刻な煩悶が一つある。……」
 鉛筆の音がする。
「それは何だと云うと――恋である……」
 道也先生はぴたりと筆記をやめて、妙な顔をして、相手を見た。中野君は、今さら気がついたようにちょっとしょげ返ったが、すぐ気を取り直して、あとをつづけた。
「ただ恋と云うと妙に御聞きになるかも知れない。また近頃はあまり恋愛呼ばりをするのを人が遠慮するようであるが、この種の煩悶はんもんは大おおいなる事実であって、事実の前にはいかなるものも頭を下げねばならぬ訳だからどうする事も出来ないのである」
54名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2023/12/12(火) 10:22:54.68
恋とはどんなものかしら?
55名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 10:24:38.70
 道也先生はぴたりと筆記をやめて、妙な顔をして、相手を見た。中野君は、今さら気がついたようにちょっとしょげ返ったが、すぐ気を取り直して、あとをつづけた。
「ただ恋と云うと妙に御聞きになるかも知れない。また近頃はあまり恋愛呼ばりをするのを人が遠慮するようであるが、この種の煩悶はんもんは大おおいなる事実であって、事実の前にはいかなるものも頭を下げねばならぬ訳だからどうする事も出来ないのである」
 道也先生はまた顔をあげた。しかし彼の長い蒼白あおじろい相貌そうぼうの一微塵いちみじんだも動いておらんから、彼の心のうちは無論わからない。
「我々が生涯しょうがいを通じて受ける煩悶はんもんのうちで、もっとも痛切なもっとも深刻な、またもっとも劇烈な煩悶は恋よりほかにないだろうと思うのです。それでですね、こう云う強大な威力のあるものだから、我々が一度ひとたびこの煩悶の炎火えんかのうちに入ると非常な変形をうけるのです」
「変形? ですか」
「ええ形を変ずるのです。今まではただふわふわ浮いていた。世の中と自分の関係がよくわからないで、のんべんぐらりんに暮らしていたのが、急に自分が明瞭めいりょうになるんです」
「自分が明瞭とは?」
「自分の存在がです。自分が生きているような心持ちが確然と出てくるのです。だから恋は一方から云えば煩悶に相違ないが、しかしこの煩悶を経過しないと自分の存在を生涯悟さとる事が出来ないのです。この浄罪界に足を入れたものでなければけっして天国へは登れまいと思うのです。ただ楽天だってしようがない。恋の苦くるしみを甞なめて人生の意義を確かめた上の楽天でなくっちゃ、うそです。それだから恋の煩悶はけっして他の方法によって解決されない。恋を解決するものは恋よりほかにないです。恋は吾人ごじんをして煩悶せしめて、また吾人をして解脱げだつせしむるのである。……」
「そのくらいなところで」と道也先生は三度目に顔を挙あげた。
「まだ少しあるんですが……」
「承うけたまわるのはいいですが、だいぶ多人数の意見を載せるつもりですから、かえってあとから削除さくじょすると失礼になりますから」
「そうですか、それじゃそのくらいにして置きましょう。何だかこんな話をするのは始めてですから、さぞ筆記しにくかったでしょう」
「いいえ」と道也先生は手帳を懐ふところへ入れた。
 青年は筆記者が自分の説を聴いて、感心の余り少しは賛辞でも呈するかと思ったが、相手は例のごとく泰然としてただいいえと云ったのみである。
「いやこれは御邪魔をしました」と客は立ちかける。
「まあいいでしょう」と中野君はとめた。せめて自分の説を少々でも批評して行って貰いたいのである。それでなくても、せんだって日比谷で聞いた高柳君の事をちょっと好奇心から、あたって見たいのである。一言いちごんにして云えば中野君はひまなのである。
「いえ、せっかくですが少々急ぎますから」と客はもう椅子いすを離れて、一歩テーブルを退しりぞいた。いかにひまな中野君も「それでは」とついに降参して御辞儀おじぎをする。玄関まで送って出た時思い切って
「あなたは、もしや高柳周作たかやなぎしゅうさくと云う男を御存じじゃないですか」と念晴ねんばらしのため聞いて見る。
「高柳? どうも知らんようです」と沓脱くつぬぎから片足をタタキへおろして、高い背を半分後ろへ捩ねじ向けた。
「ことし大学を卒業した……」
「それじゃ知らん訳だ」と両足ともタタキの上へ運んだ。
56名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 10:25:20.78
 中野君はまだ何か云おうとした時、敷石をがらがらと車の軋きしる音がして梶棒かじぼうは硝子ガラスの扉とびらの前にとまった。道也先生が扉を開く途端とたんに車上の人はひらり厚い雪駄せったを御影みかげの上に落した。五色の雲がわが眼を掠かすめて過ぎた心持ちで往来へ出る。
 時計はもう四時過ぎである。深い碧みどりの上へ薄いセピヤを流した空のなかに、はっきりせぬ鳶とびが一羽舞っている。雁かりはまだ渡って来ぬ。向むこうから袴はかまの股立ももだちを取った小供が唱歌を謡うたいながら愉快そうにあるいて来た。肩に担かついだ笹ささの枝には草の穂で作った梟ふくろうが踊りながらぶら下がって行く。おおかた雑子ぞうしヶ谷やへでも行ったのだろう。軒の深い菓物屋くだものやの奥の方に柿ばかりがあかるく見える。夕暮に近づくと何となくうそ寒い。
 薬王寺前やくおうじまえに来たのは、帽子の庇ひさしの下から往来ゆききの人の顔がしかと見分けのつかぬ頃である。三十三所じょと彫ほってある石標せきひょうを右に見て、紺屋こんやの横町を半丁ほど西へ這入はいるとわが家やの門口かどぐちへ出る、家いえのなかは暗い。
「おや御帰り」と細君が台所で云う。台所も玄関も大した相違のないほど小さな家である。
「下女はどっかへ行ったのか」と二畳の玄関から、六畳の座敷へ通る。
「ちょっと、柳町まで使に行きました」と細君はまた台所へ引き返す。
 道也先生は正面の床とこの片隅に寄せてあった、洋灯ランプを取って、椽側えんがわへ出て、手ずから掃除そうじを始めた。何か原稿用紙のようなもので、油壺あぶらつぼを拭ふき、ほやを拭き、最後に心しんの黒い所を好い加減になすくって、丸めた紙は庭へ棄すてた。庭は暗くなって様子が頓とんとわからない。
57名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 10:26:27.50
机の前へ坐った先生は燐寸マッチを擦すって、しゅっと云う間まに火をランプに移した。室へやはたちまち明あきらかになる。道也先生のために云えばむしろ明かるくならぬ方が増しである。床はあるが、言訳いいわけばかりで、現げんに幅ふくも何も懸かかっておらん。その代り累々るいるいと書物やら、原稿紙やら、手帳やらが積んである。机は白木しらきの三宝さんぼうを大きくしたくらいな単簡たんかんなもので、インキ壺つぼと粗末な筆硯ひっけんのほかには何物をも載のせておらぬ。装飾は道也先生にとって不必要であるのか、または必要でもこれに耽ふける余裕がないのかは疑問である。ただ道也先生がこの一点の温気おんきなき陋室ろうしつに、晏如あんじょとして筆硯を呵かするの勇気あるは、外部より見て争うべからざる事実である。ことによると先生は装飾以外のあるものを目的にして、生活しているのかも知れない。ただこの争うべからざる事実を確めれば、確かめるほど細君は不愉快である。女は装飾をもって生れ、装飾をもって死ぬ。多数の女はわが運命を支配する恋さえも装飾視して憚はばからぬものだ。
58名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 10:26:56.77
恋が装飾ならば恋の本尊たる愛人は無論装飾品である。否いな、自己自身すら装飾品をもって甘んずるのみならず、装飾品をもって自己を目もくしてくれぬ人を評して馬鹿と云う。しかし多数の女はしかく人世を観かんずるにもかかわらず、しかく観ずるとはけっして思わない。ただ自己の周囲を纏綿てんめんする事物や人間がこの装飾用の目的に叶かなわぬを発見するとき、何となく不愉快を受ける。不愉快を受けると云うのに周囲の事物人間が依然として旧態をあらためぬ時、わが眼に映ずる不愉快を左右前後に反射して、これでも改めぬかと云う。ついにはこれでもか、これでもかと念入りの不愉快を反射する。道也の細君がここまで進歩しているかは疑問である。しかし普通一般の女性であるからには装飾気なきこの空気のうちに生息せいそくする結果として、自然この方向に進行するのが順当であろう。現に進行しつつあるかも知れぬ。
59名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 10:27:45.28
道也先生はやがて懐ふところから例の筆記帳を出して、原稿紙の上へ写し始めた。袴はかまを着けたままである。かしこまったままである。袴を着けたまま、かしこまったままで、中野輝一なかのきいちの恋愛論を筆記している。恋とこの室へや、恋とこの道也とはとうてい調和しない。道也は何と思って浄書しているかしらん。人は様々である、世も様々である。様々の世に、様々の人が動くのもまた自然の理である。ただ大きく動くものが勝ち、深く動くものが勝たねばならぬ。道也は、あの金縁きんぶちの眼鏡めがねを掛けた恋愛論よりも、小さくかつ浅いと自覚して、かく慎重に筆記を写し直しているのであろうか。床とこの後うしろで※(「虫+車」、第3水準1-91-55)こおろぎが鳴いている。
 細君が襖ふすまをすうと開けた。道也は振り向きもしない。「まあ」と云ったなり細君の顔は隠れた。
 下女は帰ったようである。煮豆にまめが切れたから、てっか味噌みそを買って来たと云っている。豆腐とうふが五厘高くなったと云っている。裏の専念寺で夕ゆうべの御務おつとめをかあんかあんやっている。
 細君の顔がまた襖の後ろから出た。
「あなた」
 道也先生は、いつの間にやら、筆記帳を閉じて、今度はまた別の紙へ、何か熱心に認したためている。
「あなた」と妻君は二度呼んだ。
「何だい」
「御飯です」
「そうか、今行くよ」
 道也先生はちょっと細君と顔を合せたぎり、すぐ机へ向った。細君の顔もすぐ消えた。台所の方でくすくす笑う声がする。道也先生はこの一節をかき終るまでは飯も食いたくないのだろう。やがて句切りのよい所へ来たと見えて、ちょっと筆を擱おいて、傍そばへ積んだ草稿をはぐって見て「二百三十一頁ページ」と独語した。著述でもしていると見える。
60名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 10:28:31.57
立って次の間へ這入はいる。小さな長火鉢ながひばちに平鍋ひらなべがかかって、白い豆腐が煙りを吐はいて、ぷるぷる顫ふるえている。
「湯豆腐かい」
「はあ、何にもなくて、御気の毒ですが……」
「何、なんでもいい。食ってさえいれば何でも構わない」と、膳ぜんにして重箱じゅうばこをかねたるごとき四角なものの前へ坐って箸はしを執とる。
「あら、まだ袴はかまを御脱ぎなさらないの、随分ね」と細君は飯を盛った茶碗を出す。
「忙いそがしいものだから、つい忘れた」
「求めて、忙がしい思おもいをしていらっしゃるのだから、……」と云ったぎり、細君は、湯豆腐の鍋なべと鉄瓶てつびんとを懸かけ換かえる。
「そう見えるかい」と道也先生は存外平気である。
「だって、楽で御金の取れる口は断っておしまいなすって、忙がしくって、一文にもならない事ばかりなさるんですもの、誰だって酔興すいきょうと思いますわ」
「思われてもしようがない。これがおれの主義なんだから」
「あなたは主義だからそれでいいでしょうさ。しかし私わたくしは……」
「御前は主義が嫌きらいだと云うのかね」
「嫌も好すきもないんですけれども、せめて――人並には――なんぼ私だって……」
「食えさえすればいいじゃないか、贅沢ぜいたくを云いや誰だって際限はない」
「どうせ、そうでしょう。私なんざどんなになっても御構おかまいなすっちゃ下さらないのでしょう」
「このてっか味噌は非常に辛からいな。どこで買って来たのだ」
「どこですか」
 道也先生は頭をあげて向むこうの壁を見た。鼠色ねずみいろの寒い色の上に大きな細君の影が写っている。その影と妻君とは同じように無意義に道也の眼に映じた。
61名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 11:02:33.68
この児童ポルノマニアの中国人に要注意!

U-15ジュニアアイドル板閉鎖の元凶
児ポ吉100選(60代無職 児童ポルノ収集家 中国人)
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Hey!Mommy! ライブ
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赤い服黒マスク男の左斜め2つ後ろの白髪小太り爺

欲バリセンセーション ライブ
https://i.imgur.com/lq5eHy8.jpeg
物販Tシャツ着てない最前列右側黒Tシャツの後ろ4列目の白髪小太り爺
62名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 11:02:43.93
U-15ジュニアアイドル板閉鎖の元凶
児ポ吉100選(60代 児童ポルノ収集家)
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NGNG
あぼーん
64名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 11:22:27.66
三度目の拍手が、断わりもなくまた起る。隣りの友達は人一倍けたたましい敲き方をする。無人の境におった一人坊っちが急に、霰あられのごとき拍手のなかに包囲された一人坊っちとなる。包囲はなかなか已やまぬ。演奏者が闥たつを排はいしてわが室しつに入らんとする間際まぎわになおなお烈はげしくなった。ヴァイオリンを温かに右の腋下えきかに護まもりたる演奏者は、ぐるりと戸側とぎわに体たいを回めぐらして、薄紅葉うすもみじを点じたる裾模様すそもようを台上に動かして来る。狂うばかりに咲き乱れたる白菊の花束を、飄ひるがえる袖そでの影に受けとって、なよやかなる上躯じょうくを聴衆の前に、少しくかがめたる時、高柳は感じた。――この女の楽を聴きいたのは、聴かされたのではない。聴かさぬと云うを、ひそかに忍び寄りて、偸ぬすみ聴いたのである。
 演奏は喝采かっさいのどよめきの静まらぬうちにまた始まる。聴衆はとっさの際にことごとく死んでしまう。高柳君はまた自由になった。何だか広い原にただ一人立って、遥はるかの向うから熟柿じゅくしのような色の暖かい太陽が、のっと上のぼってくる心持ちがする。
65名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 11:23:06.35
小供のうちはこんな感じがよくあった。今はなぜこう窮屈になったろう。右を見ても左を見ても人は我を擯斥ひんせきしているように見える。たった一人の友達さえ肝心かんじんのところで無残むざんの手をぱちぱち敲たたく。たよる所がなければ親の所へ逃げ帰れと云う話もある。その親があれば始からこんなにはならなかったろう。七つの時おやじは、どこかへ行ったなり帰って来ない。友達はそれから自分と遊ばなくなった。母に聞くと、おとっさんは今に帰る今に帰ると云った。母は帰らぬ父を、帰ると云ってだましたのである。その母は今でもいる。住み古ふるした家を引き払って、生れた町から三里の山奥に一人佗わびしく暮らしている。卒業をすれば立派になって、東京へでも引き取るのが子の義務である。逃げて帰れば親子共餓うえて死ななければならん。――たちまち拍手の声が一面に湧わき返る。
「今のは面白かった。今までのうち一番よく出来た。非常に感じをよく出す人だ。――どうだい君」と中野君が聞く。
「うん」
「君面白くないか」
「そうさな」
「そうさなじゃ困ったな。――おいあすこの西洋人の隣りにいる、細こまかい友禅ゆうぜんの着物を着ている女があるだろう。――あんな模様が近頃流行はやるんだ。派出はでだろう」
「そうかなあ」
「君はカラー・センスのない男だね。ああ云う派出な着物は、集会の時や何かにはごくいいのだね。遠くから見て、見醒みざめがしない。うつくしくっていい」
「君のあれも、同じようなのを着ているね」
「え、そうかしら、何、ありゃ、いい加減かげんに着ているんだろう」
「いい加減に着ていれば弁解になるのかい」
66名無しさん@お腹いっぱい。
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2023/12/12(火) 11:23:44.44
 中野君はちょっと会話をやめた。左の方に鼻眼鏡はなめがねをかけて揉上もみあげを容赦ようしゃなく、耳の上で剃そり落した男が帳面を出してしきりに何か書いている。
「ありゃ、音楽の批評でもする男かな」と今度は高柳君が聞いた。
「どれ、――あの男か、あの黒服を着た。なあに、あれはね。画工えかきだよ。いつでも来る男だがね、来るたんびに写生帖を持って来て、人の顔を写している」
「断わりなしにか」
「まあ、そうだろう」
「泥棒だね。顔泥棒だ」
 中野君は小さい声でくくと笑った。休憩時間は十分ぷんである。廊下へ出るもの、喫煙に行くもの、用を足たして帰るもの、が高柳君の眼に写る。女は小供の時見た、豊国とよくにの田舎源氏いなかげんじを一枚一枚はぐって行く時の心持である。男は芳年よしとしの書いた討ち入り当夜の義士が動いてるようだ。ただ自分が彼らの眼にどう写るであろうかと思うと、早く帰りたくなる。自分の左右前後は活動している。うつくしく活動している。しかし衣食のために活動しているのではない。娯楽のために活動している。胡蝶こちょうの花に戯たわむるるがごとく、浮藻うきもの漣さざなみに靡なびくがごとく、実用以上の活動を示している。この堂に入るものは実用以上に余裕のある人でなくてはならぬ。
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