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英玲奈「六月」穂乃果「一日は」にこ「麦茶の日!」
0001(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 01:58:33.87ID:oICXbY1MK
【四月・高坂家】

穂乃果「雪穂ー。お茶ー」

雪穂「また?…さっきも飲んだでしょ」

穂乃果「さっきは食前で、今度は食後のお茶だもん」

雪穂「そんなにお茶ばっかり飲んでも良くないと思うけど…」

穂乃果「うちのお茶はいいお茶だよ。鹿児島の新茶、雪穂も好きでしょ?」
http://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1497539191/3

雪穂「そういう問題じゃなくてさ。カフェインの過剰摂取!」

穂乃果「えーと…カフェインって集中力が上がったりするやつだよね?」

雪穂「そういう効果も一応あるみたいだけど…日常的に摂取してるとだんだん効かなくなるらしいよ。むしろ副作用のほうが厄介だし」

穂乃果「副作用?」

雪穂「知らないの?カフェインには血管を収縮させる作用があるんだよ」

穂乃果「血管?…それって具体的に何が問題なの?」

雪穂「血管が収縮すると血行が悪くなって、頭痛、肩こり、肌荒れ、冷え性の原因になる。それにカフェインの覚醒効果で寝つきや寝起きが悪くなったり、いろいろ副作用があるみたい」

穂乃果「そ、そんなに!?」

雪穂「そうだよ。たくさん飲むならせめてカフェインが入ってないお茶にしたほうがいいと思う」

穂乃果「え、でもお茶ってカフェインが入ってるものでしょ?」

雪穂「茶葉を使わない物ならカフェインが入ってないのが多いよ。麦茶や玄米茶とかさ」

穂乃果「麦茶の季節にはまだ早くない?玄米茶にしとこうかな…」

雪穂「あ、でも今うちにある玄米茶は茶葉が入ってるやつしか無いかも…」

穂乃果「ああ、そういえば売ってる玄米茶って抹茶入りとか多いよね…じゃあやっぱり麦茶かぁ」

雪穂「煮出してホットで飲めばいいんじゃない?」

穂乃果「え?麦茶って水入れておくだけでいいやつじゃないの?」

雪穂「そうだけど、煮出したほうが芳ばしい香りが強く出るの。麦茶の香りにはリラックスする効果があるんだって」

穂乃果「へー」

グツグツ…

穂乃果「…」フー フー

雪穂「…」ズ…

ほのゆき「ふー」

穂乃果「ホントだ。なんだか落ち着く気がするー」

雪穂「麦茶も悪くないでしょ?」

穂乃果「でも、緑茶は各地の名産のいろいろな銘柄を飲んでるけど、麦茶は全然知らないや…いつもだいたい同じ味って感じ」
0002(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 02:02:03.83ID:oICXbY1MK
雪穂「今飲んでるこれは一般的な六条大麦の麦茶だね。ほかにビールの原料でもある二条大麦とか、はと麦茶なんかもあるけど」

穂乃果「へー」

【翌日】

理事長「廃校」

穂乃果「」

海未「穂乃果!?」
ことり「穂乃果ちゃん!」

穂乃果(そ、そんな…きっとカフェインの過剰摂取で音ノ木坂も警官が就職しちゃったんだ)ガクッ

穂乃果「うーん…欠陥が住職で…廃校…」

ヒデコ「住職?…なに言ってるの穂乃果」

穂乃果「はっ!?」ガバ

ヒデコ「お。やっと起きた」

穂乃果「ヒデコ!学校が…あれ、ここどこ?」

ヒデコ「旧音ノ木坂跡地。…ほら、向こうに見えるのが廃校になった音ノ木坂の校舎だった廃墟だよ」

穂乃果「ハイキョ…って、村川梨衣」

ヒデコ「それは俳協」

穂乃果「四億年前からいるというナマズみたいな淡水魚?」

ヒデコ「それはハイギョ(肺魚)」

穂乃果「ほ、ほーっ、ホアアーッ!ホアーッ!!」

ヒデコ「それは…発狂?」

穂乃果「ヒデコは何してるの?こんなところで…」

ヒデコ「釣り」

穂乃果(小さな滝が注ぐ池?みたいなのがある…)

穂乃果「えっと…ハイギョ?」

ヒデコ「いや、さすがにハイギョは日本じゃ釣れないと思うけどね。狙いはブラックバス!」

穂乃果「はあ。…って、こんなことしてる場合じゃなかった。麦茶で廃校を防がなきゃ!」

ヒデコ「防ぐって…もう廃校に」
穂乃果「そんなあっさり廃校なんて納得できないもん!きっとカフェインがいけないんだ」

ヒデコ「カフェイン?」

穂乃果「そうだよ。きっと悪い夢なんだ。麦茶を飲んで落ち着けば…」

ヒデコ「麦茶ねえ。でも今は大麦って誰も栽培してないみたいだよ。小麦ならあるけど」

穂乃果「そ、そんな…じゃあハトムギ?」

ヒデコ「はと麦も無いって。主食にならないし…」
0003(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 02:04:05.94ID:oICXbY1MK
「フフフ…それはどうかな」

ほのヒデ「えっ」

「誰も栽培していないのなら…自分で作ればいい」

穂乃果「だ、誰ですか?」

「統堂英玲奈だ」

穂乃果「はあ。トウドウさん…」

英玲奈「英玲奈と呼んでくれて構わない」

穂乃果「エレナさん?…あ、私は高坂穂乃果です」

英玲奈「ああ、君のことは知っている。“穂むらちゃん”だな」

穂乃果「え、お店のお客さん!?」

英玲奈「まあな。…それより、麦茶が必要ではないのか?」

穂乃果「そ、そうでした…カフェインの鮭缶が主食で」

ヒデコ「血管の収縮でしょ」

英玲奈「あの廃墟のどこかに今は栽培されなくなった麦の種があったはずだ。大麦かハトムギかはわからないが…」

穂乃果「その種を蒔けば…麦茶ができる!?」

英玲奈「ああ。麦の栽培に成功すれば作れるはずだ。麦茶でもビールでも」

ヒデコ「いやいや、ビールは無理だと思いますけど…麦だけじゃ」

穂乃果「ぃよーっし!そうと決まれば、校舎に突入だよっ!」

英玲奈「威勢がいいのは結構だが、準備はできているのか?」

穂乃果「え。…準備?」

英玲奈「あの廃墟は、もはや君たちの居た学校ではない。何の備えもなく踏み込むのは危険だぞ」

穂乃果「そ、そんな…でも、どうすれば…?」

英玲奈「これを持って行くといい」

穂乃果「何ですか?この棒みたいなの」

英玲奈「フレイル。古くは麦の脱穀に用いたという穀竿(からざお)だ」

穂乃果「こんなので麦を収穫できるの…?」

ヒデコ「昔の農家では使ってたって聞くけど、実際に使うところを見たことはないなぁ…」

英玲奈「何も持たずに行くよりはいいだろう?」

穂乃果「そうですね…じゃあ行きましょう!」

英玲奈「健闘を祈る。無理はしないようにな」
0004(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 02:06:57.80ID:oICXbY1MK
穂乃果「…って、エレナさんは一緒に来てくれないんですか?」

英玲奈「私には私の準備がある。君の帰りが遅いようなら迎えに行くさ」

穂乃果「は、はあ。…ヒデコは来てくれるよね?」

ヒデコ「いや、私は釣り」

穂乃果「え。じゃあ私一人で行くの!?」

ヒデコ「大丈夫だって。校舎に入ろうとしてるのは多分、穂乃果だけじゃないから」

穂乃果「…って言ってたけど…うぅ、心細いなぁ」トボトボ

穂乃果(そういえば…英玲奈さんの準備って何なんだろう?)

穂乃果(麦の種を取りに行くってことは私と目的は同じ?でもどうして私に教えてくれたのか謎だし)

穂乃果「…確か、こっちの方に歩いていったよね。英玲奈さん…」コソコソ

穂乃果(こっそり英玲奈さんを尾行したら何かわかるかも…私って天才♪)クシシ

穂乃果「あ、あれ?…ここどこ?」キョロキョロ

穂乃果「ヤバ、迷ったかも…いったん校舎のほうに…って、もう見えないし」

穂乃果(この辺り、なんかボロい家ばっかり…都会の真ん中とは思えないなぁ。音ノ木坂が廃校になって周りも寂れちゃったのかな?)

穂乃果「この家とか、人住んでるのかな?…もしかして空き家、っていうか廃屋?」

穂乃果(ドアに鍵は…かかってない!)ガチャ

「だれ?おきゃくさん?」

穂乃果「あ(…うわ、人いたんだ…小さい女の子)」

「ちょっと。勝手に開けないでよ」

穂乃果「す、すみません…あんまりボロ…廃屋っぽいから空き家かと思って」

「ボロくて悪かったわね!いったい何の用!?」

穂乃果「あ、あの…英玲奈さんを見かけませんでした?」

「エレナ…って、A-RISEの英玲奈?」

穂乃果「あらいず?」

「ふくしま!」

「会津じゃなくてA-RISE。もう、ここあは外で遊んでなさい」

ここあ「はーい♪」キャッキャ

パタパタ

穂乃果「ここあちゃんっていうんだ…可愛いね♪」

「それより、あんたは何者?」

穂乃果「高坂穂乃果です。音ノ木坂の二年…だったんですけど」

「それは見ればわかるわよ」
0005(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 02:15:16.86ID:oICXbY1MK
穂乃果(そういえば私、制服のままだったっけ…)

穂乃果「あ、じゃあもしかしてあなたも音ノ木坂…?」

「そーよ。矢澤にこ。音ノ木坂の三年」

穂乃果「え?…小学三」
にこ「音ノ木坂っつってんでしょ!あんたの先輩よ!」プンプン

穂乃果「は、はあ。ヤザワ先輩…」

にこ「にこでいいわよ。それより英玲奈って言ってたわね?あんた英玲奈と知り合いなの?」

穂乃果「あ、はい。英玲奈さんはお店のお客さんで…」

にこ「苗字は?」

穂乃果「えーと、糖分…じゃなくて、糖質…?」

にこ「なにそれ。…もしかして糖度って言いたい?」

穂乃果「そう!それです、糖度さん!」

にこ「統堂ね。間違いないわ…A-RISEの統堂英玲奈!」

穂乃果「にこ先輩も知り合いなんですか?」

にこ「なに言ってんの。あんた、まさかA-RISEを知らない?」

穂乃果「知ってますよ。お店で毎日たくさん使うし…北海道産の大納言」
にこ「小豆じゃなくてA-RISE!…はぁ、もういいわ。んで英玲奈がどうしたって?」

穂乃果「さっき一緒に居たんですけど、こっそり追いかけてきたら迷子になっちゃって…」

にこ「アホね。何、お釣りでも忘れていったの?」

穂乃果「廃校舎へ麦の種を探しに行くところだったんです。英玲奈さんは何か準備があるって…」

にこ「音ノ木坂の校舎へ?…ふーん」

ここあ「おねーちゃーん!」パタパタ

にこ「ここあ。もう帰ってきたの?」

ここあ「ねえねえ、おねえちゃん。こころ、かえってきてない?」

にこ「こころ?…そういえば見かけないわね。一緒に遊んでたんじゃないの?」

ここあ「ううん。しらなーい」

にこ「変ね。ここあと違って、あんまり一人で寄り道したりする子じゃないはずだけど…」

穂乃果「こころ?」

にこ「もうひとりの妹。ここあの姉よ。小学生なんだけど…高坂、あんた見かけなかった?」

ここあ「こころは、おねえちゃんにそっくりだよ♪」

にこ「そーね。私を小さくした感じの…」

穂乃果「ううん。見てないけど…」

にこ「…ちょっと心配ね。探しに行くか…」
0006(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 02:17:36.63ID:oICXbY1MK
ここあ「おでかけ?」キャッキャ

にこ「あんたは留守番よ」

ここあ「えー!」ブー

にこ「もうすぐママが帰ってくるから。いい子で待ってなさい」ナデナデ

ここあ「はーい…」

穂乃果「ヒデコにも聞いてみようか?」

にこ「ひでこ?」

穂乃果「私の友達です。向こうの池で釣りしてるから…小さい滝みたいなのがあって」

にこ「ああ、あの池。魚なんていたっけ?」

穂乃果「さあ…?」

フミコ「あれ?…穂乃果ちゃん」

穂乃果「あっ、フミコ!」

フミコ「校舎の方へ行ったんじゃなかったの?」

穂乃果「う、うん。まだ行ってない…それより」

にこ「あんた、小学生くらいの女の子を見なかった!?」

フミコ「目の前に…」

にこ「誰が小学生よ!?もっと小さい子!」プンプン

穂乃果「この人に似てる女の子だよ。妹なんだって。名前はこころちゃん」

フミコ「そういえば…」

にこ「いたの!?」

フミコ「さっきヒデコから穂乃果ちゃんのこと聞いたとき、話してる間に小学生くらいの女の子が池のそばを通ったような…」

穂乃果「どっちへ向かったの?」

フミコ「あっち…だったかな」

にこ「…廃校舎の方ね」

穂乃果「行ってみよう!」

【旧音ノ木坂校舎前・正門】

穂乃果(なんだか、ずいぶんボロくなってる…ついさっき廃校って聞いたばかりなのに、もう何十年も経ってるみたい…)

穂乃果(私たちの音ノ木坂が…)グス

にこ「ちょ、ちょっと…なんであんたが泣くのよ?」

穂乃果「にこ先輩は悲しくないの?…音ノ木坂が廃校なんて」
0007(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 02:21:04.71ID:oICXbY1MK
にこ「私は…ホントはUTXに入りたかったのよ」

穂乃果「う…裏切り者ー!」プンプン

にこ「うっさい。…それより、こころ──」
「穂乃果!」

穂乃果「あっ、ミカ!」

ミカ「やっと来たー。遅いよ穂乃果!」

穂乃果「何、一緒に行くつもりだったの?」

ミカ「ヒデコから聞いてね。穂乃果を待ってたんだー♪」

にこ「小学生くらいの女の子が来なかった?」

ミカ「…小学生?」ジーッ

にこ「誰が小学生よ!?私じゃないっての!妹よ妹!」プンプン

ミカ「あ、アハハ…そういえば、さっきも同じこと訊かれたよ」

ほのにこ「え」

ミカ「訊いたのも小学生くらいの女の子で…」

にこ「こころが来たのね!?どこへ行ったの?」

ミカ「た、たぶん校舎の方?」

穂乃果「ここから校舎の方ってことは…中に入った?」

にこ「たぶん、ここあを探しに来たんだわ。校舎の方へ行ったと思ったのかも」

穂乃果「でも、ここあちゃんは帰ってたよね?」

にこ「入れ違いになったんじゃない?」

穂乃果「…なるほど」

【廃校舎】

にこ「こころー!」

穂乃果「こころちゃーん!」

にこ「…あんたはいいわよ。麦の種を探すとか言ってたじゃない」

穂乃果「そんなの後だよ。妹がいなくなったら、私だって絶対探しに行くもん」

にこ「…あっそ。勝手にすれば?」

穂乃果「妹がいなくなって…あれ、なんか引っかかる…?」

にこ「何よ。あんたも妹がいるんじゃないの?」

穂乃果「いるけど…(何か、誰かのことを思い出しかけたような…?)」
http://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1502272497/26

にこ「高坂。何かいるわ。気をつけて…」

穂乃果「え?…あ、あれって(…音ノ木坂の制服じゃん。私の同級生?)」
0009(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 02:25:15.54ID:oICXbY1MK
生徒会A「廃校…廃校…」

穂乃果(リボンの色が私と同じ生徒が三人いる…)

にこ「正気を失ってるわ。気づかれないように通り過ぎましょ」

穂乃果「で、でも…あの子たち、ここにいたら危険なんじゃ?」

にこ「あいつら変な棒持ってウロウロしてるわ。相手にしてたら私たちが危険よ」

生徒会B「廃校…廃校…」

穂乃果「変な棒なら私も持ってるけど…麦の脱穀に使うやつ」

にこ「あんたのそれは単なる農具でしょ。…あいつらのは違うっぽいし」

生徒会C「廃校…廃校…」

にこ「接触しないように避けて通るわよ。あんたもついて来なさい!」

穂乃果「う、うん」

ダッ

生徒会A「廃校!」ブン

にこ「どわぁ!?」

穂乃果「にこ先輩!」

ガツッ

穂乃果「くっ(フレイル持っててよかったぁ…)」

にこ「あ、ありがと…急ぎましょ」

生徒会B「廃校!廃校!」ブンブン

ドタバタ

モブ三年「廃校…廃校…」

穂乃果「うわぁ、階段にもいるよ…二人も」

にこ「あの黒髪の三年…確か茶道部ね。隣のメガネも」

穂乃果「茶道…ってことは、やっぱりカフェインが原因!?」

にこ「はぁ?…カフェイン?」

穂乃果「これじゃ階段通れないよ。引き返す?」

にこ「正気を失ってるとはいえ、茶道部なら大した力はないはずよ。突破しましょ!」

穂乃果「突破って…どうやって?」

にこ「あんたは武器持ってんじゃない」

穂乃果「武器って、このフレイル?…そんな、人を殴るなんてダメだよ!」

にこ「ケガをさせないように使えばいいの」

穂乃果「そんな高度な技は…」
0010(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 02:27:24.35ID:oICXbY1MK
ことり「やらなきゃ意味ないよ」

真姫ママ「できませんでしたじゃ済まされないわ」

にこ「ほら、内田と井上も指示してることだし」

穂乃果「内田違いだよ!っていうか、ことりちゃんいたの!?」

ことり「ちゅんちゅん♪」

バササッ

穂乃果「あれっ、飛んでっちゃった…」

真姫ママ「うふふ。二人は私が秘密のお茶で眠らせておいたわ♪」

茶道部「…」Zzz

穂乃果「いつの間に…怖いよ!どんな薬使ったの!?」

にこ「と、とにかく行きましょ。こころを探さなきゃ」

真姫ママ「頑張ってね♪」

穂乃果「…ところで、あの人誰ですか?」

にこ「さあ…?」

穂乃果「廊下には…いませんね。こころちゃんは…教室の中かな?」

にこ「そうね…廊下にいたらあいつらに見つかっちゃうし、私に似て賢いこころならどこかに隠れるでしょうね」

穂乃果「じゃあ開けますよ…」

にこ「気をつけてよ。中に変なのがいるかもしれないし」

ガラ

穂乃果「こころちゃーん?」

にこ「こころー!いないの?」

「!…お姉さま」

穂乃果「今、声が──」
にこ「こころ!?」

美術部「廃校!廃校!」ブンブン

にこ「うわ!?邪魔しないでよ!」

穂乃果「ど、どうしよう!?」

にこ「あんたのフレイルで何とかしなさい!」

穂乃果「…ごめんねっ」コツン

美術部「いたっ><」フラッ

にこ「どわぁ!?」ムギュ

ドサドサッ

穂乃果(襲ってきた子が、にこ先輩にしがみついて二人とも倒れた…)
0011(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 02:33:35.28ID:oICXbY1MK
こころ「お、お姉さま!」

穂乃果「あなたが、こころちゃん?」

こころ「は、はい。矢澤こころです…あの、今お姉さまの声が聞こえた気がするんですけど…?」

穂乃果「あ、うん。その子の下敷きになってる人がにこ先輩…」

にこ「説明はいいから早く助けなさいよ!><」ジタバタ

美術部「…」Zzz

こころ「お姉さま!」ギュー

にこ「無事でよかったわ…よしよし」ナデナデ

穂乃果「正気を失った人たちを元に戻す方法はないのかなぁ?」

こころ「そういえば、あちらの箱に何か大事な物が入ってるみたいです…」

にこ「もしかして、あんたの言ってた麦の種?」

穂乃果(こころちゃんが隠れてたという大きな箱を開けてみると…)

穂乃果「なんか入ってた…」ドサ

にこ「箱の中に袋?…中身は?」

コロン コロコロ…

こころ「大小いろいろな粒がありますね…」

穂乃果「これ、麦の種!?」

にこ「たぶん…このツヤのあるのがハトムギね」

こころ「これも麦なんですね…なんだか不思議」

穂乃果「じゃあこれ、そのまま使っても麦茶ができるのかな?」

にこ「貴重な種でしょ。蒔いて増やさなくていいの?」

穂乃果「そっか。…でも正気を失った人たちはどうしよう?」

真姫ママ「あの子たちなら大丈夫よ。私がやさしく治療してあげたから♪」

にこ「あ…思い出した。この人、歯医者の…」

穂乃果「ああっ、そういえば…えっと、西木野先生!?」

真姫ママ「うふふ」

にこ「…じゃあ治療って、歯の治療?」

こころ「虫歯で人が凶暴化するのでしょうか…?」

穂乃果「さ、さあ…?」

英玲奈「おかえり。どうやら私の助けは必要なかったようだな」

穂乃果「英玲奈さん!麦の種を持ってきました」ズシ

英玲奈「ご苦労さま。これで麦茶の材料になる麦を栽培できる…だが大変なのはこれからだ」
0012(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 02:36:37.01ID:oICXbY1MK
穂乃果「麦の栽培って難しいんですか?」

英玲奈「世界中で主食となる小麦に比べて、大麦やハトムギに関しては知識が広く行き渡っているとは言い難い。現に、この地方では長い間、栽培されていなかったのだから」

穂乃果「…そっか」

英玲奈「麦茶などの良さを人々に知ってもらい、小麦以外の麦を栽培するきっかけを作っていかなくては。我々だけでは難しい」

穂乃果「一緒に頑張りましょう!英玲奈さん」

英玲奈「ああ。君が居てくれるなら心強い…」ギュ

穂乃果「わ」

穂乃果(…英玲奈さん///)ドキドキ

「穂乃果ちゃん…起きて。穂乃果ちゃん」

穂乃果「えへへ…英玲奈さん…」ムニャムニャ

「エレナって誰!?」ガーン

「こらー!起きなさい、穂乃果!」グイ

穂乃果「いててて…ほのまげ引っ張らないで><」

ヒデコ「やっと起きたね」

フミコ「エレナって誰なの!?穂乃果ちゃん!><」

ミカ「いや、それは置いといて…授業始まるよ穂乃果。教室行こ」

穂乃果「教室…授業?あれ、廃校になったんじゃ…?」

ヒデコ「正確には廃校に“なりそう”なの。まだ廃校じゃないから普通に授業あるよ」

穂乃果「そっか。…よかったぁ」ホロリ

ミカ「やっぱり頭でも打ったんじゃ…」

フミコ「大丈夫?起きられる?穂乃果ちゃん…」

穂乃果(…夢の中では校舎はもうボロボロだった。廃校から何十年どころか…そう、三百年くらい経ってるみたいな)

穂乃果(ただの夢…だったのかな?…もしかしたら、廃校になった未来…とか)

キーンコーンカーン…

穂乃果「今日もパンがうまいっ♪」パク

海未「太りますよ」

穂乃果「ふふーん。今日の私はひと味違うよ。じゃーん!」

ことり「水筒?」

海未「お茶を持ってきたのですか?」

穂乃果「ただのお茶じゃないんだよー。100グラムあたり約1kcalでノンカフェイン!さらに水溶性食物繊維βグルカンが血糖値の急上昇を抑える…」
0013(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 02:39:16.08ID:oICXbY1MK
海未「この香り…麦茶ですか」

ことり「そっか。いつものいちごミルクを麦茶に変えたら、だいぶカロリーを抑えられるね」

穂乃果「うん。それにいろいろ体にいいみたいだし」

海未「健康を気にするならもう少しバランスの良い食事を心がけたほうが…」

絵里「ねえ。ちょっといい?」

ことり「は、はい」

穂乃果「…誰?」ヒソヒソ

海未「生徒会長ですよ」

希「ほなー」

穂乃果「あのっ!」

絵里「?」

穂乃果「麦茶、好きですか?」

絵里「…麦茶?」

希「ウチは好きだよ。麦茶」

絵里「ふーん…私はあまり飲まないわ」

穂乃果「麦茶っていろいろスゴいんですよ。ノンカフェインで体にやさしいお茶です!」

絵里「体にいい物がいろいろあるのは知ってるけど、お茶って嗜好品でしょう。紅茶みたいにミルクティーにしたりいろいろな飲み方を楽しめるほうがいいわ」

希「んー。確かに麦茶はミルクティーにはしないなぁ」

穂乃果「それは…だってミルクや砂糖を入れたらせっかくの低カロリーが意味なくなるじゃないですか」

絵里「別に、ミルクティーのカロリーくらい運動で消費できるでしょう。そこまで気にしないわ」

穂乃果「むむむ…」

希「紅茶は、たとえばセイロンだけでも五大銘茶や七大銘茶※といろいろな銘柄が楽しめるし、ウチも麦茶より紅茶のほうがよく飲むけどね」
※従来の五大銘茶にサバラガムワとウダプッセラワを加えた七種

穂乃果「そ、そういえば…銘柄どころか麦茶の麦の種類も最近まで知らなかったけど」

絵里「麦茶の麦ってそんなに種類があるものなの?」

海未「基本的には六条大麦と二条大麦、それにハトムギくらいだと思いますが…」

【図書館】

穂乃果「はとちから、はとむすめ、はとひかり、あきしずく、はときらら…」パラパラ

海未「はと麦だけでもいろいろな品種があるんですね…知りませんでした」

絵里「“とりいずみ”っていうのもあるわよ」

ことり「とり?」
0014(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 02:48:20.25ID:oICXbY1MK
希「へー。ハトムギはジュズダマの変種なんやって」

絵里「じゅずだま?」

海未「つやのある雫形の硬い実をつけるイネ科の植物ですね。確か外来種だったと思います」

ことり「はと麦も三百年くらい前に中国から入ってきたんだって」

穂乃果「じゃあ日本ではちょうど穂むらと同じくらいの歴史があるんだね!」

絵里「ほむら?」

穂乃果「私の家、穂むらっていう和菓子屋なんです」

希「神田にある創業三百年の老舗やね」

絵里「三百年…音ノ木坂より古いのね」

真姫「ハトムギに限って言えばそんなものだけど、麦茶は平安時代から飲まれていたらしいわよ」

ことほのうみのぞえり「えっ」

穂乃果「誰!?」

真姫「…西木野真姫」

絵里「歴史があるのはわかったわ。でもそれで廃校を阻止できるの?」

希「エリち」

真姫「現状、日常的にお茶やコーヒーでカフェインを摂取している日本人は多いわ。これをすべてノンカフェインの麦茶などに変えることができたら…」

穂乃果「できたら?」

真姫「単にカフェインを摂取しないだけじゃなく、麦茶の香り成分アルキルピラジンには血流を良くする効果があるから…様々なリスクを回避しつつ日常生活の効率も良くなる。かりに学校規模での改善を見込めるとしたら…」

穂乃果「廃校も阻止できちゃう!?」

海未「…なるほど。みんなが今よりも高いレベルのパフォーマンスが可能になる、と…」

真姫「ええ。可能性としては充分あり得ると思うわ」

絵里「麦茶で廃校を阻止…?」

穂乃果「ど、どう思う?ことりちゃん」

ことり「んー。面白そう、かな?」

穂乃果「ぃよーっし!そうと決まれば早速、はと麦の栽培から始めよう!」

真姫「栽培からって…本気?」

希「どうしてハトムギなん?六条大麦や二条大麦でも麦茶はできるやろ?」

穂乃果「なんか品種名が六条大麦や二条大麦のより可愛いなって。“とりいずみ”とか」

海未「確かに…六条大麦の品種名は外来語が多いようですし」

真姫「はと麦茶は特に香り高い麦茶みたいだから、香り成分の効能に期待するならハトムギがいいかもね」

絵里「でも、どこで栽培するつもりなの?はと麦なんて…」
0016(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 02:52:01.98ID:oICXbY1MK
穂乃果「夢の舞台へ駆け上がれ!」ドタバタ

海未「まさか…屋上に麦畑を作るつもりですか!?」

ことり「デジャヴュを感じる展開だなぁ…」

絵里「ちょ、ちょっと…そんなの許可できないわよ!」

希「そやね。屋上を使うんやったら、ちゃんと許可を取ってからじゃないと」

真姫「生徒会に申請すればいいの?」

絵里「かりに生徒会が許可すると言っても学校側の同意がないと無理よ」

海未「学校側…ということは」

穂乃果「ことりちゃんのお母さん!?」

ことり「…」ヒヤアセ

穂乃果「ことりちゃん…おねがぁい」スリスリ

ことり「無理だと思うけど…」

真姫「とりあえず今できる準備だけでもしておいたら?栽培する品種は決めたの?」

穂乃果「とりいずみ」
ことり「はとむすめ」
海未「はとひかり」

ことほのうみ「…」

穂乃果「とりいずみがいいよ。わりと新しい品種みたいだし」

海未「歴史ある音ノ木坂とあわせてアピールするなら伝統の品種でしょう?」

ことり「それだったら、はとひかりよりはとむすめのほうが古い品種じゃないかなぁ?名前も可愛いし♪」

絵里「三人とも意見が分かれたわね…」

真姫「結局どうするのよ?」

希「“あきしずく”はどない?これも“はとひかり”より新しい品種みたいや」

絵里「“はときらら”のほうが新しいわよ。これなら──」
海未「ダメです」
穂乃果「却下」

絵里「な、なんでよ?」

穂乃果「“きらら”は私たちのライバルじゃん」

海未「音ノ木坂に対するUTXみたいなものですね」

真姫「…何の話?」

ことり「あ、アハハ…」

希「いろいろな品種を少しずつ植えてみたら?」

海未「予算と相談ですね…あとはスペースが確保できるかどうか」

穂乃果「ふむふむ…はと麦の種まきは6月までに済ませたほうがいいみたい」
0017(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 02:54:23.21ID:oICXbY1MK
花陽「あ、あの…」

ことほのうみのぞえり「えっ」

真姫「あなた…確か同じクラスの」

花陽「小泉、花陽…です」

穂乃果「もしかして…勝手に屋上使ったらダメっていうクレームが早速!?」

花陽「い、いえ。…あの、はと麦って畑でも水田でも栽培できるんですけど」

穂乃果「水田…って、田んぼ?」

花陽「は、はい。…だから、どっちにするのかなって」

真姫「屋上に田んぼは無理があると思うけど…」

希「まだ畑のほうがマシやろね」

絵里「っていうか、どうして屋上で決定みたいになってるのよ。もっと田んぼを作りやすい場所でやればいいでしょう」

真姫「というより栽培する必要があるの?麦は仕入れてきて麦茶だけ作ればいいような気もするけど」

凛「凛は楽しいほうがいいにゃ」

花陽「り、凛ちゃん…いつの間に」

穂乃果「とりあえずやれるだけやってみて、無理そうだったらプランBに切り替えていく方向で…」

凛「さんせーい♪」

絵里「だからあなたは誰なのよ…」

凛「星空にゃ」

ことり「複数の品種を育てるんだったら、はと麦だけじゃなくて六条大麦や二条大麦も作ってみたらどうかなぁ?」

にこママ「いいわね。二条大麦♪」

ことほのうみのぞえりまきりんぱな「えっ」

花陽「あ、あなたは…」

真姫「中学の矢澤先生!?」

凛「なんで音ノ木坂にいるんですかー?」

にこママ「ビール麦を栽培すると聞いて飛んできたのよ」

穂乃果「いや、ビールは作りませんけど…」

ことり「二条大麦は粒が大きくてタンパク質が少なくデンプン質が多めで、独特の甘みがある深い味わいの麦茶ができるんだって」

にこママ「ビールは…」
海未「作りません」

にこママ「そう…」シュン

希「そんなにビール好きなんですか?」
0019(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 02:59:01.19ID:oICXbY1MK
にこママ「いや、あくまで園芸部顧問として生徒のために研究をゴニョゴニョ」

ことほのえりまきぱな(絶対嘘だ…)
希(絶対嘘やんな)
凛(絶対嘘にゃ)
海未(嘘ですね)

にこママ「じゃ、じゃあ私はもう行くけど…頑張ってね。二条大麦の栽培」

スタスタ

海未「まだ二条大麦を作ると決めたわけではないのですが…」

ことり「はと麦を優先的に作る方向でいいんだよね?」

穂乃果「基本的にはそれでいこうよ。余裕があれば六条大麦や二条大麦も作ろうかなって感じで」

穂乃果(やざわ…なんだろ、何か大事なことを忘れてるような…?)

『麦の種を探すとか言ってたじゃない』

穂乃果(麦の種…中学の園芸部?…でも、先生の声じゃなかったような…)

真姫「じゃあ役割分担を決めておきましょ。まず理事長との交渉役に、測量、買い出し…」

絵里「これって…私たちもやることになってるの?」

希「まあ…いいんやない?廃校を防げるんやったら」

絵里「うまくいくとは思えないけど…」

『だが大変なのはこれからだ』
『きっかけを作っていかなくては』

穂乃果(…そうだね。頑張るよ。英玲奈さん)

【高坂家】

トプン ザバー

ほのゆき「ふー」

穂乃果(英玲奈さん、か。…素敵な人だったなぁ///)

穂乃果(夢の中で出会った…現実では知らないはずの人たち)

『やさしく治療してあげたから♪』
『こころは、おねえちゃんにそっくりだよ♪』
『これも麦なんですね…なんだか不思議』
『私は…ホントはUTXに入りたかったのよ』

穂乃果(…だけど、ただの夢じゃなかったら…現実に存在するかもしれない?)

雪穂「お姉ちゃん…まだ怒ってる?」

穂乃果「…雪穂」

『みんな言ってるよ。そんな学校、受けてもしょうがないって』

穂乃果(あの人も言ってたな…UTXに行きたいって)
0020(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 03:02:20.26ID:oICXbY1MK
雪穂「機嫌直してよ。別に私は」
穂乃果「…ねえ、雪穂」チャプ

雪穂「な、なに?」

穂乃果「UTXって…どんなところ?」

パタン

雪穂「ホントに大丈夫?お姉ちゃんひとりで…」

穂乃果「大丈夫だよー。私は居なくなったりしないから♪」

雪穂「…何の話?」

穂乃果「エヘヘ。…それに、私が居なくなったら雪穂が探しに来てくれるでしょ?」

雪穂「そりゃそうだけど…居なくならないって言ったじゃん」

穂乃果「雪穂♪」ギュー

雪穂「わ」

穂乃果「だーい好きっ♪」

雪穂「…私も///」

チュ

【翌朝・秋葉原】

穂乃果「ここがUTX…」ゴクリ

穂乃果(夢の中で見た廃墟の音ノ木坂とは真逆のイメージだなぁ…真新しくて、キラキラしてて)

「…穂乃果」

穂乃果「えっ」

「…そう呼んでいい?」

穂乃果「…あ」

『音ノ木坂っつってんでしょ!あんたの先輩よ!』

「やっと会えたわね。…つーか、昨日の今日だけど」

穂乃果「にこ先輩!」

にこ「…やっぱり、あんたも私を知ってるんだ」

穂乃果「う、うん。やっぱりホントにいるんだ…夢じゃないよね?」

にこ「夢…ね。私の夢の中では、あんたがこころを一緒に探してくれたけど」

穂乃果「!…そうそう!廃校舎に麦の種を取りに行って」

にこ「まさか…同じ夢を見た、とか?」

穂乃果「どうなんだろう…?」
0021(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 03:09:51.44ID:oICXbY1MK
にこ「私の家にいきなりあんたが来て」

穂乃果「はい!英玲奈さんを追いかけてたら迷っちゃって」

にこ「確かにそう言ってたわね。…フレイルなんか持って」

穂乃果「あれ英玲奈さんが渡してくれたんですよ」

にこ「歯医者の先生とか…」

穂乃果「いました!茶道部の人たちを眠らせちゃうの」

にこ「何なの?これ…あんたに出会うっていう予知夢とか?」

穂乃果「わ、わかんないけど…不思議ですよね」

にこ「運命の相手…みたいじゃない」ボソ

穂乃果「え!?」

にこ「な、なんでもないわよ///…でも一応お礼は言っとくわ。夢とはいえ…あんたの意思で手伝ってくれたんでしょ?」

『そんなの後だよ。妹がいなくなったら、私だって絶対探しに行くもん』

穂乃果「あ…こころちゃんのこと?」

にこ「そ。…ありがと。穂乃果」

穂乃果「エヘヘ。まあ私も、こころちゃんのおかげで麦の種を見つけられたし」

にこ「そういえば…あんた、英玲奈とはどうなの?」

穂乃果「たぶん現実でもお店のお客さんなのかなって…」

『UTX高校にようこそ!』

穂乃果「あの人…似てるなぁ」

にこ「本人よ。A-RISEの統堂英玲奈」

穂乃果「あ、やっぱりそうなんだ…」

にこ「途中まで同じ夢なのに、なんであんたの方にだけ英玲奈がいるのよ?ずるくない!?」

穂乃果「そ、そう言われても…」

にこ「これで英玲奈も同じ夢を見てたりしたら…ぐぬぬぬぬ」

穂乃果「それはさすがに無いんじゃないかなぁ…ところで」

にこ「なによ」

穂乃果「こころちゃんとここあちゃんは元気?」

にこ「ん。今頃一緒に学校行ってるわよ」

穂乃果「あ。学校…私たちもそろそろ行かなくちゃ」

にこ「そーね」
0022(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 03:12:01.04ID:oICXbY1MK
穂乃果「じゃ、私たちも仲良く手をつないで♪」

にこ「お断りよ」

穂乃果「冷たい…」クスン

にこ「うっさい。…ほら、とっとと行くわよ!」バシ

穂乃果「いたっ><」

にこ(んなことしたら…変に意識しちゃうじゃない///)

【音ノ木坂】

にこ「へー。じゃあホントに麦を栽培するつもりなのね」

穂乃果「はい。だから夢の中で種を見つけたのも意味があったのかなって」

にこ「あんたや希はともかく、あの絢瀬がねぇ…」

『思いつきで行動したところで状況は変えられないわ』

穂乃果「にこ先輩は手伝ってくれないんですか?」

にこ「マ…母と違って園芸にはそこまで詳しくないわよ」

穂乃果「でも、にこ先輩って女子力高そうじゃないですか♪」

にこ「それって麦の栽培に関係あるの?…ま、気が向いたら手伝うわよ」

穂乃果「やった♪一緒に頑張りましょう!」ギュ

にこ「…はいはい///」

【理事長室】

理事長「何か良い方法があるんですか?」

絵里「…それは」

真姫「麦茶です!」バン

理事長「えっ」
希「お」
絵里「!」

真姫「屋上に畑を作って麦を栽培します。屋上の使用許可が下りない場合、別の場所で栽培します」

絵里「…西木野さん」

理事長「します、ね。決定ということかしら?」

真姫「はい」

パタン

真姫「これで屋上が使えるわ!」

凛「すごいにゃー♪」

絵里「でも今から麦を栽培して間に合うの…?」

希「そこはほら、ウチら生徒会も何か考えるやろ?廃校阻止の方法」
0023(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 03:14:34.08ID:oICXbY1MK
絵里(“必ずやります”という決意表明を見せた西木野さん…私たちだって、理事長の許可がなくても考えることはできる)

花陽「ゆ、夢の舞台へ…」

凛「駆け上がれ!」

ドタバタ

【旧空き教室・コトリのアトリエ】

ことり「できた♪」

海未「それは…?」

ことり「気温が低いうちに発芽させるためには直蒔きだと難しいの。この中で苗の状態まで育てるんだよ」

海未「農業までこなすとは…」

ことり「矢澤先生と小泉さんに教わったの。エヘヘ♪」

【屋上】

ヒデコ「どいてどいて!」

ザバー

穂乃果「もうこんなに…仕事早いなぁ」

ミカ「裏方なら任せてよ♪」

フミコ「麦茶作るの楽しみだなぁ…」

穂乃果「アハハ。まだ収穫どころか植えてもいないけど…」

花陽「でも畑はもうすぐ完成だし…何とかなりそうって気がしてきました」

『我々だけでは難しい』

穂乃果(夢の中で英玲奈さんも言ってたけど…みんなが手伝ってくれてよかった)

【再び秋葉原・UTX】

英玲奈「…」モグモグ

あんじゅ「あら?…英玲奈、何食べてるの?」

ツバサ「お菓子?私にもちょうだい♪」

英玲奈「ああ」

ツバサ「ありがと…何これ」

英玲奈「塩昆布だ」

あんじゅ「えぇ…なんでそんなの食べてるの?」

ツバサ「昆布の栄養がどうのこうのって話?」パク

英玲奈「それもあるが…水分と一緒に塩分も少し摂取したほうがいいと聞いてな」

あんツバ「へー」
0024(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 03:16:53.99ID:oICXbY1MK
あんじゅ「でも少しの塩分ならスポーツドリンクに入ってたりしない?」

英玲奈「飲み物は麦茶だ。塩分が入っていないので塩昆布で補っている」

ツバサ「…なるほど」モグモグ

あんじゅ「ふーん…前から麦茶だったっけ?」

英玲奈「いや、今日から麦茶にした。何となく飲みたくなった」

ツバサ「何となく、ねぇ…」

英玲奈「麦茶はいいぞ」

あんじゅ「って、英玲奈も昨日まで飲んでなかったんでしょ?」

英玲奈「うむ」ゴク

ツバサ「ふふふ。急に好みが変わるなんて…心境の変化でもあったのかしら?」

あんじゅ「カノジョにすすめられたとか?」

英玲奈「…」ゴクゴク

『英玲奈さん♪』

英玲奈(…なぜか、穂むらの長女の顔が浮かんだ。店にはよく行くが…名前を呼ばれた事などあっただろうか?)

英玲奈「…高坂、穂乃果」ボソ

あんツバ「?」

【五月】

真姫(屋上に畑を作ったのはいいけど…)

穂乃果「あ、暑い…」

ことり(日当たりがよくて遮る物が何もないから、暑い日は大変)

凛「だいぶ伸びてきたにゃ」

海未「はと麦の種まきは遅くて六月頃といいますから、私たちはかなり早めですね」

花陽「早まきのほうが多収傾向だそうですよ」

絵里「たくさん採れるってこと?」

花陽「はい♪」

希「へー。幸先いいやん」パラララ

にこ「んで、希は何してんの」

希「ちょっと占ってみようかと思って」スッ

にこ「何を占うっていうのよ?」

真姫「麦の豊作とか?」

希「麦そのものっていうより、音ノ木坂の運命への影響やな」

絵里「ど、どうなの…?」
0025(魔王城門前) (ガラプー KK5e-u9Ul)垢版2018/06/02(土) 03:18:20.19ID:oICXbY1MK
希「小アルカナ、ワンドの6…正位置や」

ことり「それって、どういう意味のカードですか…?」

希「希望、勝利、成功といった暗示やな」

凛「カードも空気を読んだにゃ」

にこ「希が空気を読んだんじゃないのー?」

穂乃果「あ」

凛「にゃ?」
ことうみえりまきぱな「えっ」

にこ「何よ?」

穂乃果「ワンド…木のカードですよね!?」

希「まあ、そやね」

穂乃果「6だから六本でしょ。木が六つで、むぎ!」

ヒフミ「おおー。しんじられぬー」

海未「縁起がいい…と言っていいのやら」

穂乃果「それに六条大麦の六でもある!」

凛「それだと二条大麦とハトムギは関係ないにゃ」

ことり「ふふふ。でもすごい偶然だね♪」

希(…まあ、このカードには“旅”や“移動”といった意味もあるんやけど…まさか、畑を六本木に移転…なんてことにはならないよね)

【六月】

ザァァァ…

海未「だいぶ育ってきましたが…」

真姫「まだまだ収穫には遠いわね」

凛「いつになったら収穫できるのー?><」

花陽「たぶん九月頃じゃないかな?はと麦を収穫した後は、秋まきの六条大麦で来年の5〜6月に収穫できるし」

穂乃果「今日は雨で冷えるから、ホットの麦茶がおいしいねー♪」

絵里「本当ね…」ゴク

にこ「市販のティーバッグの麦茶でも充分おいしいわね」

ことり「アハハ…それを言われると…」

希「ま、まあ栽培には栽培の楽しみがあるやん?」

穂乃果(私たちは衣替えしたけど、畑の麦は苗のまま…でも、秋の収穫を楽しみに)

にこ(焦らず騒がず、麦茶でも飲んで落ち着いて…のんびり待ちましょ)



おわり
0029アッカリ〜ン (ガラプー KK16-UePD)垢版2018/06/30(土) 03:09:59.95ID:UFvbK6cCK
0030アッカリ〜ン (ガラプー KK16-UePD)垢版2018/07/01(日) 19:23:53.33ID:R6A2Y0fCK
0031アッカリ〜ン (ガラプー KK4f-Nr6Y)垢版2018/07/05(木) 20:43:47.10ID:bsf3S4V4K
0032アッカリ〜ン (ガラプー KK4f-Nr6Y)垢版2018/07/11(水) 05:26:57.62ID:CKz3s/ccK
0033アッカリ〜ン (ガラプー KK2e-Hmpx)垢版2018/07/18(水) 00:16:13.10ID:Zw6mT7tSK
0034アッカリ〜ン (ガラプー KK2e-Hmpx)垢版2018/07/18(水) 10:25:21.96ID:Zw6mT7tSK
0035アッカリ〜ン (ガラプー KK6e-Z0bK)垢版2018/07/31(火) 13:44:07.47ID:/SRQYBGLK
0036アッカリ〜ン (ガラプー KK6e-Z0bK)垢版2018/07/31(火) 16:41:48.04ID:/SRQYBGLK
0037アッカリ〜ン (ガラプー KK6e-Z0bK)垢版2018/07/31(火) 17:18:47.39ID:/SRQYBGLK
0038アッカリ〜ン (ガラプー KK6e-Z0bK)垢版2018/07/31(火) 21:36:17.51ID:/SRQYBGLK
0039アッカリ〜ン (ガラプー KK6e-Z0bK)垢版2018/07/31(火) 23:24:21.60ID:/SRQYBGLK
0040アッカリ〜ン (ガラプー KK6e-Z0bK)垢版2018/08/01(水) 17:28:44.98ID:q/n1MgolK
0041アッカリ〜ン (ガラプー KK6e-Z0bK)垢版2018/08/01(水) 21:24:28.35ID:q/n1MgolK
0042アッカリ〜ン (ガラプー KK6e-Z0bK)垢版2018/08/01(水) 22:30:35.31ID:q/n1MgolK
0043アッカリ〜ン (ガラプー KKff-FWX6)垢版2018/08/02(木) 09:09:31.80ID:Gm10XKNZK
0044アッカリ〜ン (ワッチョイ 6f76-6iP1)垢版2021/09/24(金) 23:38:29.55ID:nQI0Dng20
>>182
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