雛苺が泣き喚きながらこっちに来た。苺大福をやると、いつもこうだ。
決まって翠星石が雛苺の見ていない隙に前のマスターからもらったという
ポーチから苺大福をくすね取るのだ。
「ちゃんと管理してないチビ苺が悪いですぅ。チビ苺に食べられるより翠星石に食べられた
ほうが苺大福もしあわせってもんですぅ。あ〜ん・・・、はぁ、チビ苺からくすねた苺大福は最高ですぅ♪」
翠星石はもぐもぐと本当に美味しそうに苺大福を食べている。
もう、あきれてものも言えない。一体今日で何個目だ。
「とりあえず、片付けて寝ろよ。俺は明日早いから、片付けてる暇ないんだから。」
そういうと俺はさっさと寝た。まだ何か騒いでいたようだが二人ともどうやら寝たらしい。
・・・・その夜。
「(ふふっ、今日もチビ苺の苺大福を奪ってやったですぅ。・・・でも、どうせなら食べかけの
よだれがついたのがいいですぅ・・・・。むにゃむにゃ・・・・。)」
翠星石には誰にもいえない秘密があった。彼女はレズだったのだ。
いままで雛苺をいじめてきたのも好きの裏返しだったのである。
いつもそんな事を想像したりしながら眠っているのであった・・・・。