【新世界より抜粋/プペル美術館】

2018年の夏。
貯金を全額ブチ込んで、ボクの地元(兵庫県川西市)に広大な土地を購入した。

サロンメンバーと話が盛り上がっちゃってね、皆と一緒に
『えんとつ町のプペル美術館』を作ることになっちゃった。
キミも学生時代に、文化祭でクラスの皆と力を合わせて
巨大なオブジェを作ったりしたでしょ?
あのノリだよ。

さて。
土地を買ったはいいものの、当然、ここに美術館を建てなきゃいけないわけだ。
そこで、サロンメンバーの建築士さんに建築費の見積もりを出してもらったら
「15億円」と言われちゃった。

漏れかけのウンコが全部漏れたよ。
だって、貯金は全部使っちゃったんだもん。
15億円なんて、どこから持ってくるの?
『えんとつ町のプペル美術館』とか言いながら、更地しか用意できていない。

こりゃ、ゲームオーバーかな?
いいや。ゲームスタートだ。
「作ること」がエンタメなんだもん。
更地でいい。むしろ更地の方がいい。
『えんとつ町のプペル美術館』は更地の状態でオープンすることに決めた。

ええ、そうですよ。
土と石っコロしかない更地です。
でも、この状態は『今』しかないわけじゃない?
数年後にはここに建物が建ってしまって、もう、更地だった頃の
『えんとつ町のプペル美術館』を体験することはできないわけだ。
更地だった頃の写真は今しか撮れないんだよね。
ここに価値がある。

たとえば、「過去にタイムスリップして、建設途中のディズニーランドで
写真が撮れるなら、10万円払うよ」って人、いるんじゃないかな?
その発想だね。
『えんとつ町のプペル美術館』は、今は更地なんだけど、
この更地に入るには入場料(500円)がかかる。
『えんとつ町のプペル美術館』はもう始まっているんだ。 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b)