https://www.gamer.ne.jp/news/201805170002/

――少しデリケートな質問になりますが、「絶バハムート討滅戦」の時は外部ツールに関する問題があったと思いますが、
「絶アルテマウェポン破壊作戦」では何か対策が盛り込まれているのでしょうか。
吉田氏:それについては、ちょっと大雑把に伝播してしまっています。僕が懸念としてお話したのは、「本来ならば、バトル中にカスタムトークの内容を見て、
次に来る攻撃を判断するギミックが、読み上げツールによって、カスタムトークを見なくとも、音声で次の攻撃が知らされてしまう。
それが攻略のアドバンテージになり過ぎたので、次からはそういうギミックは無くしていきたいです」ということです。
以前お話した通り、ああしたギミックを入れるのであればネール(ネール・デウス・ダーナス)のボイスを入れるべきでしたし、
今回の「絶アルテマウェポン破壊作戦」ではそうしたセリフを見て次の行動を判断するようなギミックは入れていません。

――受け取る側と解釈の齟齬があり、情報が不正確に伝わっているわけですね。
吉田氏:とはいえ、面と向かってこの質問を受けたのは今回が初めてです。ツールの対応は常にいたちごっこです。
本質的な対応として最も有効なのは、そうしたギミックを作らないということだと思って頂ければ幸いです。
一般のプレイヤーの方はツールに関する知識がなくて当然なのですが、一口にすべてを「ツール」と括ってしまうのは危険です。
それを言ってしまえば、スマホの無料で使えるアプリも、すべてまとめて「ツール」です。
FFXIVは基本処理をサーバで行っているため、データを書き換えてしまったりするような行為は、大きなバグが無い限り不可能です。
それを簡単にツール化したりすることもできません。巷で良く言われるDPS計測ソフトウェアも、
みなさんがお使いのPCへFFXIVサーバから送られてくる正しい情報を、そのまま足し算して表示しているだけなのです。
この「情報」を「暗号化」することは可能ですが、暗号化したままでは、読み取れないため、必ず「暗号化を解除してプログラムに渡す」という工程が必要になります。
すべての情報に対してそれを行うと、ラグが発生したり、手触りが非常に悪くなったりします。
また、必ず「暗号化の解除」が必要になるため、結局はソフトウェア制作者にヒントを出すことになってしまいます。
暗号化の方法をパッチ毎に変えたりするなど、僕たちも対策をしていますが、
暗号化する>解除される>また別の暗号化をする>解除される>また……の繰り返し防衛しか根本対処はありません。
良い悪いのお話ではなく、今も昔もそうやって攻防を繰り広げているのが、オンラインの世界です。
正しい知識を身に着け、規約とモラルに従って付き合うというのが、オンラインに生きる現代ゲーマーのもっとも効果的な防衛だと僕は思っています。
なんでも「ツール」と括ってしまうと、外部ボイスチャットもそれに該当しますし、動画でのタイムライン読み上げなども、
次に来るギミックを指示してくれるわけですから、ツールということになってしまいます。
繰り返しますが、良い、悪いというお話ではなく、規約に従いモラルをもってプレイしていただければと思います。
自分が楽しいかどうかだけでなく、それをひけらかしたとき、他の人がどう思うかを考えることも、とても大切なことだと思います。


――確かに、極論を言ってしまえば、なんでも「ツール」で括れてしまいますよね。
吉田氏:ですが、動画の場合はタイムラインが固定化されていないと作れない、という要因があるので、実際にはまったく異なるものです。
やはり、ひとくくりに括ってしまう思考は危険だと思います。
再度となりますが、「絶バハムート討滅戦」では本来セリフを見てランダムに分岐する攻撃を判断しなければならなかったギミックを、
セリフを見なくてもその先のギミックまで読み上げられてしまうのがマズかった。だから、今回はそうしたギミックは廃止しました、ということです。