その昔、百済の国で名を轟かせた拳法家の1人である峰鼓(ぽうこ)は
敬謙な仏教徒でもあった。
ある歌人が「貴殿の強さの秘訣は?」とたずねたところ
峰鼓はこう答えたとされている。
「日々体を鍛え、印を結び座禅をしただけです」
歌人は峰鼓の謙虚な姿勢と人柄に心酔し
次のような歌を詠んだ。
「峰鼓鍛印下雄」
(訳:峰鼓のように体を鍛え印を結び禅を組むことで真の雄々しさを得る)
この歌はその後、真の強さを目指す拳法家たちに教訓として広まった。
現在の日本でも強さを目指す男たちの間で
「ぽこたんいんしたお」
と合言葉になっているのはあまりにも有名な話である。