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2023年1月30日 11時45分
森繁久弥さんや樹木希林さん、和田アキ子さんら多くの芸能界の重鎮らにも愛されてきた東京・西麻布の日本料理店「川奈」が今月いっぱいで、57年の歴史に幕を閉じる。席の予約は今も絶えない盛況ぶりだが、周辺の再開発で退去を余儀なくされ、店主の桑原幸三さん(81)が自身の高齢もあり、閉店を決めた。(稲熊均)
「残念ね」「どこかでまた開店してよ」。会計を済ませた常連客がそれぞれの思いを口にする。カウンター、テーブル、座敷合わせ20席程度の店内はほぼ満席だ。桑原さんは「閉店をどこで聞き付けたのか、最後の食事に来て声をかけてくれる。ありがたいことです」と感謝を口にする。
広島県で料理修業を積んだ桑原さんが「関西割烹かっぽう」として、のれんを出したのは1966年。その直後から常連客となったのが森繁さんだった。「テレビ局なども近くて便利だったのでしょうけど、頻繁に通ってくれました。釣りが趣味で魚の目利きもできるから、仕入れたバチマグロとかを店に持ち込んでは、私にこうせいああせいと料理の指示をするんです。おかげで腕も上がりましたよ」
◆店に愛用の画材を置いて絵を描いた森繁さん
店内には今も、絵に一文を添えた森繁さんの色紙が額入りで飾られている。
「いつの頃からか顔料や墨、筆を店に置き、思い付いては描いてくれました。数十枚は残したでしょうか。その中から季節ごとに選んで飾ってきました」
何枚かを見せてもらう。ハマナスを描いた絵には「知床の岬に はまなすの咲く頃 おもい出して おくれ…」という一文。自ら作詞作曲しヒットした「知床旅情」からの一節だ
(略)
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