市役所ロビーに従事する窓口専属職員をオーディション形式で選ぶ異色の採用試験が寝屋川市で行われている。「お役所仕事を卒業します」と銘打って本年度始めたサービス改善の一環で、客室乗務員やホテルマンら“接客のプロ”を広く募集。16日に市役所で最終選考があり、1次試験をパスした22人が臨んだ。

市によると昨年4月、初の試みとして、航空や観光、飲食業界出身者ら12人を採用。2年目の今回は、ホテルやテーマパークの在職者ら府内外から213人の応募があった。

 模擬窓口では、つえをついた人や婚姻届の提出に訪れた若いカップルらが次々と来庁。急いでいる、雨が降ってくる、市内の「おいしい店」を問われる−など設定は事前に知らされず、受験者はタブレット端末を使って応じたり、新婚夫婦には記念撮影を勧めるなどアドリブで対応した。

 客室乗務員の女性(37)=同市=は「フライトが減っており、コロナの影響がないと言えばうそになるが、生まれ育った寝屋川で経験を生かしたいと思った。市民一人一人に寄り添いたい」と意欲を見せた。

 採用は最大5人で、合否は今月29日に通知する。市人事室の幸西大輔課長は「他の自治体にないおもてなしを進めたい」と期待を寄せた。

大阪日日新聞 2021年1月17日
https://www.nnn.co.jp/dainichi/news/210117/20210117030.html