2019年02月08日 06時00分
 芝生に生えて初夏になるとトゲのある種子をつける南米原産の植物「メリケントキンソウ」を駆除しようと糸島市は7日、同市二丈深江の二丈交流体験広場で実証実験を始めた。JA糸島の協力を仰ぎ、人体や芝生に影響の出ない除草法を試すという。

 市農業振興課によると、2年ほど前、約1万3千平方メートルの芝生が広がる同広場でラグビーの練習をしていた市民から「トゲのある植物が生えていてちくちくする」と相談が寄せられた。調査を進めると、正体は芝生の環境を好んで繁殖するメリケントキンソウで、全国的に繁茂し駆除する方法が確立されていないことが分かった。

 そこで、植物に詳しいJA糸島アグリ店長の古藤俊二さん(54)に協力を依頼。広場の一部に2メートル四方の16区画を準備し、効果的な除草法を探ることにした。

 実証実験では、光を遮断して光合成を阻害する防草シート、または目土(砂)をかぶせる▽繁殖力の強いあかクローバーを植えて生育を阻害▽オレンジ由来の市販リモネン除草剤▽食酢▽糸島産のミカンを使った除草剤−の6パターンで駆除効果を比較。3月にも一部で2度目の散布をしてみるほか、種子ができる5月にどの方法が一番有効だったかを確認する。

 古藤さんは「子どもたちが青々した芝生で思い切り遊べるように、自然由来の除草法の確立へ道筋をつけたい」と話している。

=2019/02/08付 西日本新聞朝刊=

https://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_toshiken/article/485286/