札幌市で16日に起きた爆発事故の原因とみられるスプレー缶の回収方法を巡り、岡山県内27市町村のうち津山、浅口市など6市町が、缶に穴を開けないよう求めるか、開けなくてもよいとしていることが18日、各自治体への取材で分かった。
穴開け作業中の事故を懸念しているため。全ての市町村はごみ収集車などでの引火トラブルに備え、「中身を使い切ってから廃棄を」と呼び掛け、一部自治体は注意喚起を始めた。

 ごみ出しで缶に穴を開けないよう住民に求めているのは津山市と鏡野、勝央、美咲町。開けなくてもよいと説明しているのは浅口市と奈義町。残る21市町村は穴を開けてガスを抜くよう求めている。

 津山市は2011年9月に、穴を開ける必要があった缶のごみ出しを現行の回収方法へと変更した。同市環境事業課は「当時、穴開け作業の際に出火するトラブルが全国的に多かったことを踏まえた」と説明する。

 浅口市は高齢者らの負担に配慮して穴開けまでは求めていないが、市民向けの分別マニュアルで「中身を使い切って」と明記。同様の対応を取っている奈義町の担当者は「相談があれば、出火の危険を避けるため、穴を開けてくださいとお願いしている」という。

 一方、ごみ出しの際に穴開けを求める自治体の多くは、収集車両や処理施設でのトラブル防止を理由に挙げる。

 岡山、笠岡市はスプレー缶の回収場所に穴開け器具を用意しているほか、高梁市など一部自治体の回収場所では、管理する町内会などが独自に置いている。各市町村とも「火の気のない風通しのよい場所で作業してほしい」と訴える。

 札幌市の事故は室内で消臭スプレー缶100本ほどの中身を一度に噴射したことが原因とみられる。事故後、県内自治体の消防局や消防本部などには問い合わせが相次いでいるが、ある自治体の担当者は「一般家庭のごみ出しでは考えられないケース」と指摘する。

 混乱を防ぐため、美咲町は18日午後からスプレー缶やカセット式ガスボンベの回収方法について注意を促す告知放送を開始。ただ、他の自治体を含めて回収方法を変更する具体的な動きは出ていない。
(2018年12月18日 22時47分 更新)
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