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須磨多聞線の測量開始について神戸市職員（左側の２人）に抗議する地元住民ら＝１８日午前、神戸市須磨区桜木町（撮影・大森 武）
神戸市が須磨区西須磨地区に計画する都市計画道路「須磨多聞線」について、市は１８日午前、詳細設計に必要な測量を同地区の道路予定地で開始した。現場周辺には整備に反発する地元住民ら約８０人が集まり、抗議の声を上げた。
同線は、須磨区と垂水区を結ぶ全長７キロの計画。うち約５２０メートルが同地区を通り、山陽電鉄をまたぐ部分は高架の２車線となる。
地元自治会側は環境悪化や地域分断を懸念して反対運動を続け、「整備は地元の理解と協力を得てから」と求める３０４９人分の署名を市に提出するなどしてきた。
一方、久元喜造市長は今年３月、これまで２度にわたって延期してきた測量着手を表明。今月の定例会見で「住民理解を深めるため」と説明した。
この日午前９時すぎ、業者が須磨区桜木町などで測量を開始。反対する住民らは立ち会った市職員に「地元住民の意思を無視して測量を強行している」などとする抗議文を読み上げ、文書を手渡した。
住民側は今月末までに市長宛てに公開質問状を提出し、測量着手の経緯などを問う方針。
住民側公害紛争調停団の宗岡明弘団長（６４）は「住民の反対の気持ちは強い。必要な対応を検討する」と憤りの表情。
市工務課の松崎吉希・街路担当課長は「詳細設計を行った上で住民の意見を募りたい。この測量をもって着工するということではない」と話した。（金 旻革）
【須磨多聞線】高度成長期の１９６８年に都市計画決定され、阪神・淡路大震災直後の混乱の中で事業認可された。住民側は９７年に公害紛争調停を申し立て、市は２０１３年、
「（建設を前提にしない）協議を住民側と継続する」とした調停案を拒否し、１５年に及ぶ協議を打ち切った。
その後、市は整備に向けた環境影響評価を実施。測量の開始を伝えられた地元自治会は、地元理解が得られるまで作業しないように求める署名や抗議文を提出していた。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201807/0011456496.shtml
