野崎智也、福井悠介2018年6月25日08時32分

写真・図版
都道府県別にみた 市区町村議会の女性議員比率


 女性議員が一度も誕生したことのない市議会が鹿児島県にある。桜島に接する垂水(たるみず)市。市の幹部も女性ゼロというこの街で、
来春の統一地方選に向け女性議員誕生をめざす団体が立ち上がった。5月には「候補者男女均等法」が成立。女性の政界進出は進むのか。

 24日、垂水市の市民館でセミナーがあった。主催は「鹿児島県内の女性議員を100人にする会」。出席した約30人を前に、代表の平神純子さん(61)が
「社会は女性を待っている」と来春の市議選への立候補を呼びかけた。出馬を考えたいという30歳の女性は「実家の商売への影響など悩みを相談したい」と話した。

 平神さんが、公益財団法人「市川房枝記念会女性と政治センター」(東京都)の資料などから調べたところ、
過去に一度も女性議員が誕生したことのない市は、全国791市のなかでも極めて珍しいという。

 垂水市は人口約1万5千人。市選管などによると、1958年の市制施行から女性は4人が立候補したが、全員落選した。
99年に立候補した女性は最下位当選者に138票届かず、その後は立候補もない。現在の議員定数は14で、500票前後が当選ラインだ。

 あるベテラン市議は「俺たちが女性市議の誕生を阻んでいるわけではない。女性に覚悟があるのかということ」。
市男女共同参画推進協議会の川崎あさ子前会長(69)は「一度もいたことがないから、女性議員がいることの意義をみんな分かっていない」と話す。

https://www.asahi.com/articles/ASL6H6G7DL6HTLTB00L.html