5月11日 16時56分
3年前から高松空港に駐機したままとなっていた戦後初の国産旅客機、YS11型機が保管場所を石川県に移すことになり、11日、3年ぶりに大空に飛び立ちました。
YS11型機は戦後初の国産旅客機として、40年以上、日本の翼として活躍しましたが、国内での民間による定期運航は平成18年に終了していて、現在は航空自衛隊が8機を運用しているだけです。

11日に飛び立ったYS11型機は4年前、スクラップの危機に直面していた当時、国土交通省が所有していた1機を大阪の企業が落札したもので、整備のため3年前から高松空港に駐機したままとなっていました。

高松空港が先月、民営化され駐機できる期限が制限されることになったため、保管場所を石川県の能登空港に隣接した日本航空学園に移すことになりました。

11日は正午前、3年ぶりのフライトとなるおよそ10分間の試験飛行が行われたあと、午後2時すぎに能登空港に向けて飛び立ちました。

空港の展望デッキには久しぶりの雄姿をひと目見ようと、航空ファンなどが詰めかけ、独特の高いエンジン音を懐かしんだり、写真に収めたりしていました。機体はおよそ2時間かけて、午後4時すぎに能登空港に到着しました。

機体を所有する会社の鼓呂雲建造CEOは「“機械遺産”として飛べる状態にしておくことに意味があるので、今後もできるかぎり長く保存したい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180511/k10011435311000.html