毎日放送 01/19 19:42
http://www.mbs.jp/news/kansai/20180119/00000062.shtml
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 私鉄や地下鉄で利用されていた「スルッとKANSAI」の利用期限が、今月末に迫っています。さらに、JR西日本の「昼特きっぷ」は今年9月に廃止されることが決まっています。

 閑静な住宅街で知られる兵庫県芦屋市。午前9時半のJR芦屋駅改札は特に変わった様子はありませんが、9時55分ごろになると、急に改札前に人が集まってきました。そして午前10時。待ってましたとばかりに客が次々と改札機を通り、駅構内になだれ込みます。その数約30人。皆さんが10時まで待っていた理由は…?

 「昼特きっぷです。ぐっとお安いんです。半額近いんじゃないですかね」(利用客)
 「安いってことやね、ずっと昔からこれ(昼特きっぷ)使っている」

 クラシックバレエのお稽古に行くというマダムも…

 「使います、もう重宝してます」
 Q.週どのくらい使うんですか?
 「週4〜5回」
 Q.芦屋マダムも節約するんですね
 「マダムじゃないですけど…それ(節約)はできることならしたいですね」

 JR西日本の「昼間特割きっぷ」、通称「昼特きっぷ」。平日は午前10時から午後5時、土日祝日は終日使える6枚つづりの回数券ですが、人気の理由はその割引率です。例えば、芦屋〜大阪間の運賃は300円ですが、昼特きっぷで乗れば200円、片道で100円も得なんです。さらに大阪〜北伊丹間なら割引率は最大の約47%引きになり、みんなが10時まで待つのもわかります。

 それにしてもすごい人気。JRが30年以上続けているサービスですが、この昼特きっぷ、今年9月末で販売が中止されていることが決まっています。

 「そうなんですか、すごくショックです」(利用者)
 「困るんです、お稽古事行くのに」

 人気商品をやめてまでJR西日本が目指すのは、ICカード「ICOCA」の普及。券売機を減らせるほか、改札機のメンテナンス費用の削減につながるなど鉄道会社としてメリットが大きいのです。同じような理由で「スルッとKANSAI」も廃止に。大阪市営地下鉄や近鉄、京阪など多くの路線では使えるのが今月末までです。

 廃止を惜しむのは利用者だけではありませんでした。格安切符を扱う金券ショップです。

 「取り扱える商品が日々減っていく一方なので…」(大黒屋なんば店 藤井竜太郎店長)

 昼特きっぷやスルッとKANSAIは店の稼ぎ頭ともいえる商品。定期的に買いに来る客が多いため、ついで買いなど売り上げを牽引するツールでもあったそうです。

 「(昼特きっぷやスルッとKANSAIは)お客様に来ていただくための“客寄せパンダ”になっている。商品自体というより他の商品の売り上げ・買い取りに関して、一部落ち込む可能性があるのではないかと思っている」(藤井竜太郎店長)