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千葉県が開発した新品種の落花生「千葉P114号」。満を持していよいよデビューする


 「千葉半立(はんだち)」「ナカテユタカ」「郷の香」「おおまさり」−。千葉県が開発したこれらの落花生の主要品種に新たに加わる「千葉P114号」がいよいよ今年、市場デビューする。
開発に18年を費やした自信作は、年々作付面積を減らしている“落花生王国”千葉にとって反転攻勢の糸口になればと、関係者らから大きな期待が寄せられている。

 「消費者においしいと思ってもらえて需要が増えれば、安定した収入源となり農家も作付面積を増やすのではないか」(県生産振興課)。そんな期待を背負うのが千葉P114号だ。

 県内の落花生の作付面積は国内総面積の約8割を占めるが、高品質な高級品で売り出され贈答用として愛されている一方、需要がなかなか上向きにならないのが悩みの種だった。

 農家も近年は、安定した収入が見込めるニンジンなどの農作物に転換する傾向が強まり、作付面積は昭和40年の2万5500ヘクタールから平成28年には5170ヘクタールと激減。
「県産の宝の落花生が廃れる」との危機感が広がっていた。

 そこで、県は10年から「食べておいしい落花生を作ろう」と、従来の品種より甘い落花生の開発をスタート。従来品種の改善を進め、千葉P114号に結実した。

 県は、これまでの高級路線から、甘味を武器に子供や女性に手軽に食べてもらえるカジュアルさを押し出してPRを進める方針。
生産初年度の今年は全体の付作面積の約1%に当たる50〜60ヘクタールで作付けするが、同課は「将来的に全体の3分の1ほどにシェアを増やせれば」ともくろむ。

 19年に開発された前品種「おおまさり」はゆで落花生向けという斬新さから消費者に人気が広まったが、今回は従来の煎り落花生の新品種だ。
従来品種との違いを知ってもらうために、食べ比べの試食イベントなどの地道なPR展開が必要となる。関係者らは口をそろえて「食感、味が他の品種とは全然違う。食べてもらえば分かる」と自信をのぞかせている。

 千葉P114号 県が平成10年に開発に着手した落花生の新品種。種まきに適するのは5月中旬〜6月中旬で、9月下旬〜10月上旬に収穫時期となる。市場流通は11月ごろになる見通し。

 27年に「千葉P114号」の命名で品種の登録を出願。新愛称の募集には6330件の応募が寄せられ、コピーライターらによる選考委員会などをへて夏に決まる。

 甘味やサクサクとした食感、実を包むサヤの白さが特徴。従来品種の「ナカテユタカ」が悩まされた、夏の干魃(かんばつ)などにより発芽を妨げる「幼芽褐変症」を招くなどの生育面の弱点も改善された。



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産經新聞:2018.1.3 11:47更新