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高架線となり橋上化された新鎌ケ谷駅に到着する新京成電車(江田隆一撮影)
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新京成電鉄が27日、開業70周年を迎える。かわいい1両編成でスタートした車両は、70年間に6両編成となって沿線は田園から都市部に変貌、電車も高架を走るようになった。沿線住民の足であることはこれからも変わらず、今後も県北西部の発展を見守り続ける。(江田隆一)
新京成の元になったのは、旧陸軍鉄道連隊施設だ。京成電鉄が津田沼−松戸間演習線を使った民営鉄道を計画して買収。運行会社の「新京成電鉄」が昭和21年10月に設立され、22年12月27日、新津田沼−薬園台2・5キロを一番電車が走った。
これが戦後誕生した最初の新設鉄道なのが自慢。電車は時速30キロで走り、両駅を約5分で結んだ。津田沼の市街まで1時間近く歩いていた沿線住民の生活は大きく変化。開業半年間で約55万人、1日約3千人が利用したという。
京成津田沼−松戸間(26・5キロ)の全線開通は30年4月21日。松戸でのイベントでは、祝賀花火の不手際から、寺の薬師堂を焼失した苦い思い出が記録に残る。54年〜平成4年には北総線に乗り入れ、18年からは日中時間帯に京成千葉線の千葉中央駅まで直通運行している。
全線開通時には「住宅誘致による定住人口の急速なる増加をもたらす」(運輸大臣への申請書から)と、運賃を1キロ当たり3円60銭から3円に値下げ。沿線開発と一体化して乗客増を図る経営方針は伝統という。
新京成は今年、高架化が始まり新たな歴史を刻み始めた。鎌ケ谷市内の鎌ケ谷大仏〜くぬぎ山駅間(3・3キロ)の下り線(京成津田沼方面)が高架化され、この区間の初富、新鎌ケ谷、北初富3駅の下り線ホームが橋上化された。
開業当初の新津田沼駅に停車する電車から、70年後の高架を走る姿は連想できない。「高架からの眺めが新鮮。ホームもきれいになったが、踏切待ちの車が車窓から見えるのも、新京成らしくてよかった」と、通勤で利用する女性(53)は話す。高架(連続立体交差)事業は県を事業主体に約495億円の費用で13年度に着手。上り線の高架化は31年度中という。
眞下幸人社長は「安全・安心を最優先に、沿線地域の永続的な発展につながる事業を展開することで、みなさまから愛される企業を目指したい」。新京成は交通手段の軸として、これからも沿線住民の生活を支え続ける。
■新京成電鉄の70年
昭和
21 10月 新京成電鉄株式会社設立
22 12/27 新津田沼−薬園台(2・5キロ)開業
24 1月 バス事業開始
30 4/21 京成津田沼−松戸(26・5キロ)開業
54 3月 松戸−小室(北総鉄道)直通運転開始
61 1月 世界初の長編成VVVF車両導入
平成
2 6月 完全冷房化
4 7月 北総鉄道直通運転廃止
18 12月 松戸−千葉中央(京成千葉線)直通運転開始
26 6月 シンボルカラー制定 ピンクの車両登場
29 10/21 一部区間高架化
産経新聞 2017.12.25 08:42
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