http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171217/K10011261651_1712171221_1712171222_01_03.jpg
国によるコメの生産調整、いわゆる「減反政策」が廃止される来年に向け、生産量の目標を検討してきた北海道の生産者団体は、これまでの減産から一転し、6年ぶりに増産する方向で最終調整に入りました。
主食用のコメの生産量が全国最大の北海道が増産を目指すことで、ほかの産地の対応や、値上がりが続くコメの価格にどう影響するか注目されます。
コメの生産をめぐっては、作りすぎないよう国が調整する「減反政策」が昭和46年から続けられてきましたが、それぞれの農家の判断で生産できるようにするため来年、廃止されます。
これを受けて北海道では、JAなどの生産者団体が自治体とともに来年のコメの自主的な生産量の目標について検討を進めていますが、関係者によりますと、事実上、前年の目標を超えて増産する方向で最終調整に入りました。
北海道では、減反政策のもと生産目標が平成25年から毎年、前年を下回ってきましたが、増産すれば6年ぶりとなります。
理由について、JAなどの生産者団体は、品質への評価が高まり需要が増えているためだとしていて、およそ5000トンの増産を軸に自治体と調整したうえで、近くまとめることにしています。
主食用のコメの生産量が全国最大の北海道が増産を目指すことで、ほかの産地の対応や、値上がりが続く業務用のコメの価格などにどう影響するか注目されます。
■減反廃止とコメ価格
減反政策はコメ余りを防ぐため40年以上にわたって続けられてきました。
国が決めた全体の生産目標に沿って各都道府県に目標を割りふる形で行われ、コメの値崩れ防止に一定の効果があったとされる反面、生産者の意欲をそいだり農業の大規模化を妨げたりしているといった批判も上がっていました。
減反政策は、農業の競争力強化に向けた取り組みの一環として来年から廃止されますが、ことしはコメの生産が抑えられる中、新米の価格が一段と値上がりしています。
国が家畜のエサになるコメの生産を促していることなどで家庭用のコメの生産量が減り、先月のコメの価格はすべての銘柄の平均で60キロ当たり1万5534円と、去年の同じ月に比べて8%上昇しました。
このうち、取引量が最も多い北海道産の「ななつぼし」は、60キロ当たり1万5646円と、去年の同じ月より11%の値上がりとなっています。
また、各地の農家が価格の高い「ブランド米」の生産に積極的に取り組んでいることもあって、外食や弁当などの業務用のコメは生産量が特に不足していて、こうした状況に全国の産地が来年以降、どのように対応するかが注目されています。
北海道 6年ぶりコメ増産へ 減反政策は来年廃止
日本放送協会:2017年12月17日 12時13分