0001紅あずま ★
2017/12/15(金) 22:37:05.87ID:CAP_USERhttp://yamagata-np.jp/news/201712/15/img_2017121500210.jpg
少し緊張しながら5年間伸ばした髪を切ってもらう指村惟颯君=新庄市・ヘアサロンログ
伸ばした髪をがん患者の子どもたちに―。
東根市東根小3年の指村惟颯(いぶき)君(9)は、医療用ウィッグに活用するために髪を寄付する「ヘアドネーション」に協力しようと4歳の時から5年間、髪を伸ばしてきた。
長い髪へのからかいにも負けず、大切にしてきた髪は背中まで届いた。
“断髪式”を終えた指村君は軽くなった頭に少し照れながら、日本のどこかにいる寄付相手を思った。
始まりは4歳の頃だった。テレビや動画サイトで髪を伸ばしている男の子の姿が目に焼き付き、自分から「伸ばしてみたい」と言った。
「当時はヘアドネーションという言葉の意味は分かっていなかったと思う。『何となくかっこいい』と感じた程度だったんじゃないかな」と母の未来さん(34)は振り返る。
男の子が長い髪でいることで、友達から「どうして伸ばしてるの」と聞かれ、からかわれることもあった。
「最初のうちはしゅんとして帰って来た」と未来さんは語るが、指村君はこう思うようになった。
「後ろから見ると女、前から見ると男、それが僕」。
寄付の基準となる長さを超えるまで、髪を切りたいと思うことは一度もなかった。
髪を切ったのは今月9日。3月まで暮らしていた新庄市の美容室で、指村君は緊張した面持ちで鏡の前に座った。
シャキン、シャキンとはさみが入ると、30分ほどでボブスタイルに。
「頭が軽いね」と照れながら、長さ35センチに切りそろえられた髪を手に取り「こんなに長かったんだ」と見つめた。
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5年間伸ばしてきた髪を見つめる指村惟颯君
ヘアドネーションとは美容室で切った髪を寄付し、医療用ウィッグに加工して小児がんや無毛症、不慮の事故などで頭髪を失った子どもたちに贈る取り組み。
米国発祥で、日本ではNPO法人「Japan Hair Donation&Charity(ジャーダック)」(大阪市)が2009年から普及に努め、フルオーダーの医療用ウィッグを無償提供している。
寄付には31センチ以上の長さが必要で、ダメージの少ない髪であることが条件になる。
指村君は伸ばし始めてから、毎日髪をきれいにまとめて過ごしてきた。
「ガムとかべたべたするものが付かないよう一番気を付けた」という。
5年間の思いが詰まった髪はジャーダックに送られ、国内の子どもに医療用ウィッグとして届けられる。
指村君には新しい目標ができた。これまで洗髪は未来さんにしてもらっていたが「今度は自分で全部やる」。
もう一度、ドネーションに挑戦し、長さ40センチの髪を寄付するつもりだ。
35センチに5年分の優しさ 東根の指村君、がん患者の子のため髪を寄付
山形新聞:2017年12月15日 10:26