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「児島コンビニ・スマイルカード」に判子を押す児島署員（左）＝セブンイレブン倉敷市立短大前店で、児島署提供
岡山県倉敷市南東部を管轄する児島署が取り組む独自のパトロールが成果を挙げつつある。
巡回ルートを五つに分け、交通量が多かったり事件が多発したりする時間帯に集中的にパトロールするもので、名付けて「児島レッドゾーン作戦」。
４月に始めたところ、半年間で刑法犯の認知件数が１７％減った。同署はルートを随時見直し、犯罪や交通事故の抑止につなげたいとしている。
「変わったことはありませんか」。
今月６日深夜、同署管内のコンビニエンスストア「セブンイレブン倉敷市立短大前店」（同市児島稗田町）に、同署地域課の遠藤務巡査長（４０）がパトロールで立ち寄った。
夜間の強盗や万引き、店への迷惑行為の防止が狙いだ。
同店のオーナー、山本哲二さん（５８）は「警察への通報は意外と敷居が高い。定期的に来てくれることで警察官との会話も生まれるし、安心して仕事ができる」と語る。
児島レッドゾーン作戦は、試行を含めて４月１９日から始まった。パトカーの赤色灯を付けて、特定の時間帯に集中的にパトロールする。
住民が少ない地域や山間部を除き、管内全域を
▽中心市街地
▽山陽自動車道水島インターチェンジ・ＪＲ木見駅周辺
▽鷲羽山付近−−の３ブロック５ルートに分けて回る。
これまでは交番などがそれぞれの判断でパトロールしていたが、時間帯を統一してできるだけ多くのパトカーを投入して目立たせることで、事件や事故を未然に防ごうとしている。
巡回の際は、特殊詐欺や高齢者の事故防止などを呼び掛けるオリジナルＣＤを流すようにし、屋内にいる住民の耳にも訴える。
深夜から未明にかけて管内２４店舗のコンビニを不定期で巡回することも始めた。警察官は担当エリアにかかわらず、管内のコンビニを訪問。
これまでは夜間巡回では店内まで入らなかったが、中まで入って異状がないか確認することにした。
立ち寄った際にスタンプを押す「児島コンビニ・スマイルカード」も作成し、防犯態勢を整えている。
こうしたこともあり、４〜９月の刑法犯の認知件数は１７１件と前年同期（２０６件）から１７％減少した。
特に自転車やオートバイといった乗り物が盗まれる事件が２４件と半減している。
交通事故も減っており、人身事故は２５％減の１００件。死者はゼロで、負傷者数は１１９人と３０％減った。
同署の松永輝之署長は「犯罪の情勢や地域の要望を踏まえながら、ルートを見直すなどしてより効果的なものにしていきたい」と話している。
児島署 犯行多発時間帯に集中パトロールで成果 岡山
毎日新聞：2017年11月20日 08時30分
