「見ざる・言わざる・聞かざる」で有名な日光東照宮(栃木県日光市、世界遺産)の彫刻
「三猿」の目が今春の修理で、まるでゆるキャラのように大きくなっている。
目の幅は以前の3割増しほどで、過去のどの写真よりも大きい。
専門家は「過去の再現として問題があり、次回修理で描写を再検討すべきだ」という。

3月にお披露目されて以降、ネット上で「下手すぎる」と評判になっていた。
そこで、名古屋城復元の専門委員などを歴任する
奈良文化財研究所の元建造物研究室長、窪寺茂さんに一緒に取材してもらった。

東照宮は頻繁に修理を繰り返し、常に「新しい」状態を維持しているのが特徴。
三猿も明治期以降、今回に加えて1900年、23年、51年、73年に修理で塗り直されてきた。
修理は日光の2社1寺がつくる職人集団、日光社寺文化財保存会が行っている。

保存会に残る最古の写真は51年修理の直前のもので、23年修理の塗装の一部が確認できる。
窪寺さんは、これとその後3回の修理後の写真、今回修理の手本に使われた見取り図を使い、
「言わざる」の左目の幅を比較した。

写真:昨年度の修理後の「言わざる」
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170829000746_comm.jpg
写真:1973年修理後の「言わざる」
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170829000744_comm.jpg
写真:1951年の修理後の「言わざる」
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170829000742_comm.jpg
写真:1951年修理直前に撮影された「言わざる」。1923年の修理の塗装が一部残る
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170829000741_comm.jpg
写真:昨年度修理の主要な手本となった見取り図の「言わざる」
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170829000756_comm.jpg

以下ソース:朝日新聞 2017年8月29日16時37分
http://www.asahi.com/articles/ASK8Y32RTK8YULZU001.html