熊本地震で被災し解体工事が始まった熊本県阿蘇市の小学校のプールで25日、
地震当日に割れた水槽で飼われていた2匹の金魚が、約1年4カ月ぶりに「救出」された。
ずっと姿が見えず、死んでしまったと思われていた。
10〜15センチほどだった体長は、30センチ近くにまで成長していた。

金魚は、阿蘇西小の玄関の水槽で育てられていた。
昨年4月16日未明の本震で水槽は粉々に砕けたが、
同日昼ごろ、近くの床の上で5匹のうちの2匹が生きているのを職員が見つけ、プールに放した。
その後、職員らが水くみなどでプールに行っても2匹の姿は見えず、鳥に食べられたか、死んだかと思われていた。

学校は市内の仮校舎へ移転。
校舎やプールの建て替えが決まり、今年6月ごろに解体前の校舎を訪れた井上利之校長(54)が
3階からプールを見下ろすと、大きな金魚2匹が泳いでいた。
学校や市教委の職員計9人が25日にプールに集まり、網で金魚をすくい出した。
学校には大きな水槽がなく、とりあえず閉校した別の学校から持ってきた給食調理用シンクに2匹を入れた。

児童はまだ金魚のことを知らず、2学期の始業式がある28日に伝える予定。
井上校長は「大きくなった金魚を見て、絶対救おうと思った。復興のシンボルとして大事に育てたい」。

写真:プールからすくい出した金魚を手にする井上利之校長
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170825004544_comm.jpg
写真:2匹の金魚はとりあえず給食調理用のシンクに入れられた
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170825004545_comm.jpg

以下ソース:朝日新聞 2017年8月26日08時27分
http://www.asahi.com/articles/ASK8T5T8JK8TTLVB00Q.html