>>412

文仁
少しばかり新居となった家のことを話しましょうか。
というのは,私にとって10年ほど過ごしたこの家には,けっこう思い出があるからです。
当初,宮内庁は新婚の我々のために,仮住まいではあるけれど同じ場所に新たな家を建てることを考えていました。
しかし,いずれ何処かに居を構えるのに,仮住まいのために立て直すその計画は無駄が多いように思い,現存している建物を一部改築して使いたい旨伝えました。
たしかに大勢の人とそこで会うのには適当ではありませんでしたが,こぢんまりとしていたぶん,非常に落ち着く場所でもありました。
玄関を入って少し大きな声で呼べば,どこにいても大抵聞こえたのではないでしょうか?
結婚後の生活をあの家でできたことはよかったと思っています。

紀子
約60年の木造家屋を,二人で過ごせるように直して,新しい生活がはじまりました。
そして,娘たちの誕生にあわせて部屋を増やしました。
その中で,娘たちは成長していき,子どもたちの元気な声が響き,ギターやピアノの音もよく聞こえる,温もりの感じられる家でした。

http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/03/kaiken/gokanso-h27-gokekkon25.html
文仁親王同妃両殿下ご結婚満25年に際してのご感想