>>169の続きです。

「尋常の事」と「右の理」は峻別されなければいけない。

その意は家の男子の娵取り「尋常の事」でも「右の理」に基く家の女子の婿とりでもどちらでもいいというわけでは無いということ。本来家の男子が娵をとるべきである。間違えてはいけないということを篤胤はくどくどと後付けで言っているわけ。

家の男子が継ぐのが原則、但し家の女子の婿が継ぐことも許されるというのが篤胤の指摘。

ここまでは文意のまま。

実態は家の男子で無くても、家の女子の婿で無くても養子縁組により擬制的に家の男子となって継げる。

家の男子が継ぐのは尋常のことであり、「右の理」とは異なると強調されたのは、家の男子が継ぐのが原則だから。

つまり出自は父系。これが篤胤の頭の中。


家の女子の婿でなくても擬制的に家の男子となって継げるのに、篤胤は何故家の女子の婿だけを取り上げたか。

婿をとった家の女子の地位に注目したから。
婿をとった家の女子は、家の女子の父の父系に擬制的に属する夫や子と同じ父系に属することになる。
つまり、擬制的に同父兄弟姉妹婚をしたことになる。

父系出自集団内で男性が父となると、男性は子や内孫に対し、同一父系出自集団内の目上であり、かつ尊属。

外婚制だと女性は母となっても子に対し尊属であるだけ。

両方そろう男性が優位の家父長制になる。

父系出自集団内で同父兄弟姉妹婚が許容されていて女性が母となると
子に対し同一父系出自集団内の目上かつ尊属で二つ揃う。

唐国のように男尊女卑ならこうした家父長の資格が揃った女性の出現はやっかいだよね。外婚制はこうした女性の出現を禁じる。
これが女の系も系と立てること。則ち父系出自集団内で女子が家父長もしくはそれに準じる存在に成り得ることがB

Fは出自の原理
Bは父系出自集団内で家父長的女性の出現が許容されること。
両者の違いは口を極めて強調されて当然G。

篤胤が言いたかったことは日本では女子も父の血統を受け継いでいることにおいては同父兄弟と対等ということになる。

后腹の最年長皇女は一品内親王として特別の地位にあるよね。准母立后とかも若年の天皇の庇護者と成り得る存在であるからだと考えられる。