誰かが残した 手記のようだ。
魔界では見ることのない オーグリード大陸で
使われている文字で 記されている。

背ビレは なくなってしまったけれど
僕は生きのびて 今も 魔界にいます。

ネクロデアで 死にかけていた僕を
通りがかった旅の魔族の人が 見つけて
運んでくれたのだと 村の人から 聞きました。

この村の人たちも 優しくしてくれて
これまで よそ者というだけで ひどい目に
あわされてきたことが ウソのようです。

ガートラントの オーガの人たちが
ジュレットの町から 移ってきた まだ幼い僕に
とても よくしてくれたのを 思い出します……。

おかげさまで だいぶ 元気になったので
村の外を ちょっと 歩いていたら
すごく 不思議な感じがする泉を 見つけました。
ウェディの僕としては こんなにキレイな
水の誘惑に 逆らうことなど できません。
久しぶりに 水浴びを 楽しみました。

それから とても 身体が軽いです。
すこし やせてきた気がするけれど
あ れ?  なぜ ユビ 動か       な

文章は ここで 途切れていた……。