中東のオマーンに日本人の血を引く王女がいる。名はブサイナ。父はタイムール元国王、母は大山清子という日本人だ。

 2人の出会いは1935(昭和10)年の神戸。王位を退き、アジアをめぐる船旅に出ていた当時48歳の元国王は、19歳の清子とダンスホールで知り合い、恋に落ちた。元国王は翌年再来日し、結婚と日本移住を決意。2人は神戸市内の洋館で暮らしはじめ、女の子が生まれた。それがブサイナ王女だ。
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