【こどおじ】引きこもり18年、去った老親 「市役所に相談を」メモ残し
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 長期間引きこもり状態にある人や家族をどう支援していくか、課題になっている。当事者は
どう感じているのか。仕事に失敗して以来、かつて20年近く自宅にほぼ引きこもっていたと
いう大分県の男性(54)に話を聞いた。自立に向かうきっかけは、思わぬ出来事だった。

 残暑も終わり、涼しくなり始めた朝。目覚めると、家にいるはずの両親が見当たらなかった。
寝具や食器は持ち出され、車もない。居間のテーブルには、わずか2行の書き置きが残されていた。

 ≪後のことは市役所に相談してください≫

 大分県北部の海沿いの地域で、男性と同居していた両親の行方が分からなくなったのは2014年
9月。男性は当時49歳、両親は70代だった。「今後どう生きればいいのか」。男性は途方に暮れた。