米Amazon.comのジェフ・ベゾスCEOは4月11日(現地時間)、毎年恒例の株主向け年次書簡を公開した。この中でベゾス氏は、昨年従業員の最低賃金を15ドルに引き上げたことに触れ、競合する小売り企業にも最低賃金を15ドルもしくはそれ以上に引き上げてみろと挑発した。

 Amazonは昨年10月、従業員の労働環境が劣悪で、賃金も低いという批判を受け、米国での最低賃金を米国での最低賃金である時給7.25ドルの2倍以上になる15ドル引き上げた。

 ベゾス氏は、「私は今日、小売り大手の競合(どこのことだかお分かりだろう!)に対し、最低賃金を15ドルに引き上げるよう挑戦する。やってみろ! いっそのこと16ドルにしてわれわれに戦いを挑むがいい。こうした競争は、すべての人にとってメリットになる」と書いた。

 ベゾス氏の言う競合は、米Targetと米Walmartだろう。Targetの現在の最低賃金は13ドルで、2020年までに15ドルにするとしている。Walmartの最低賃金は現在、11ドルだ。

 ベゾス氏はこの書簡の冒頭では、Amazonの売上高の58%は中小企業が多い外部業者によるものであると語った。外部業者に販売のための便利なツールを提供することで、中小企業の競争力強化に貢献していると強調した。これは、エリザベス・ウォーレン上院議員(民主党、マサチューセッツ州)が3月、Amazonを含む大手IT企業が巨大な力を持ちすぎたので事業を分割すべきだと主張したことを受けたものとみられる。

 同氏はまた、AWSやAlexa、Echoの成功についても触れた。Echoの開発は大きな失敗だったFire Phoneの開発とほぼ同時にスタートしており、Fire Phoneの失敗から多くのことを学んだことが、EchoとAlexaの成功に貢献したという。

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ITmedia NEWS
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