シンガポール=野上英文2018年6月11日15時41分

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金正恩委員長の宿舎到着を前に、各国メディアが入れない規制区域内で待機する北朝鮮カメラマン(左)=2018年6月10日、シンガポール、飯塚晋一撮影


 12日に予定される米朝首脳会談のためシンガポール入りした北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長を、
世界各国の報道陣が追いかけるなか、立ち入り禁止区域に入って独自に行動する北朝鮮の撮影班が、注目を集めている。
地元警察も「黙認」する密着取材。使っているカメラは、日本ブランドの最高クラスだった。

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 正恩氏が泊まるセントレジスホテル付近は、10日から「特別行事区域」に指定され、車が自由に入れないように路上にブロックが置かれた。
人の出入りも制限されている。空港からホテルに正恩氏の大型ベンツが向かうと、警官たちが「人の盾」を作り、報道陣や市民らは遠巻きに眺めることとなった。

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車のサンルーフから体を出して車列の沿道を撮影する北朝鮮カメラマン=2018年6月10日、シンガポール、飯塚晋一撮影

 そんななか、2人だけが立ち入りが禁じられた路上へ出た。1人は三脚を立ててビデオを撮り、もう1人は3段の脚立の上からカメラを構える。
警官隊は制止することなく撮影をそのまま認め、2人は正恩氏が到着するまでの1時間半以上、立ち入り禁止区域を自由に動き回った。

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