飲酒運転などの重い違反で切られる赤キップの罰金は国庫の一般財源となる。
一方、信号無視や駐車違反などの軽い違反で切られる青キップの反則金も国庫に入るが、後に「交通安全対策特別交付金」として各都道府県に配分される。
いわば、赤キップは国の財源となり、青キップは地方自治体の財源となるわけだ。

「赤キップは書類作成も面倒だし自分たちの点数にならないので、パトカーで取り締まりを行う警察官は、できれば青キップを切りたい。

書類は5分ほどで片付くし、いわゆる“ノルマ”も達成できますからね。
つまり、警察官の心情としては、青キップを切りやすい違反を積極的に取り締まるわけです」(A氏)

速度違反を例にすると、超過分が30キロ以上で赤キップ、30キロ未満では青キップになる。
実際には30キロ以上オーバーしていても、取り締まる警察官が「25キロオーバー」などと、あえて低い速度で検挙することがあるが、裏にはそうした事情があるというわけだ。

●絶好の検挙スポットとは?

さて、青キップを切りやすい交通違反とはどのようなものだろうか。

「街中の一時停止違反です。街灯があってもあまり明るくなく、しかも運転者から死角になる場所にパトカーを停めて、違反者を待ち受ける。現役時代、それでよく検挙しましたよ」(同)

多くの場合、信号のないT字路では「一時停止」の標識が出ているが、うっかり停まらなかったクルマを狙っているという。
さらに、パトカーが隠れる場所があるような交差点は絶好の検挙スポットとなるそうだ。

「駅に向かうクルマが多い場所なら、なおさらです。たとえば、家族を迎えに行く途中、いつも通っている見通しのいい交差点を通過する際、左右どちらからもクルマが来ていないと、つい一時停止を忘れる運転者も多い。
そういう交差点に狙いを定め、よく日が沈んだ18時以降に待ち受けていました」(同)

一時停止違反は反則金7000円で、違反点数は2点。ノルマを達成したい交通課の警察官にとって、こうした軽い違反の検挙がもっとも喜ばしいのだという。
何かと慌ただしく気が緩みがちな年末のドライバーと、年内に成績を上げておきたい取り締まる側の警察官。そんなかたちで出会いたくないものだ。

https://biz-journal.jp/2018/12/post_26030.html
2018.12.22