安倍晋三首相が局面転換を狙って「脱お友達」で立ち上げた改造内閣について、報道各社の世論調査が出そろった。内閣支持率は最高で9ポイント上昇するなど、一応、「下げ止まった」といえそうだ。ただ、朝日新聞は7日朝刊で、支持率が2%上がっているが「内閣支持率35%横ばい」という見出しで報じた。ネット上では、同紙への疑問などが広がっている。(夕刊フジ)

 3日の内閣改造を受けた、各社の調査結果は別表の通り。質問内容や人数、回答率などが違うため支持率は異なるが、いずれも上がっており、今回の人事が一定の評価を受けたと解釈できそうだ。
 ところが、朝日新聞は前出の見出しを付け、「内閣改造は、支持率回復にはほとんどつながらなかった」と報じた。

 この報道に対し、ネット上では「違和感が大きい」「この見出しは変な感じ」「朝日の願望丸出し」といった疑問・批判が広まる一方、「2ポイント増では『横ばい』と書くのは普通では」という意見もみられた。

 永田町の専門家は、どう感じるのか。

 評論家の屋山太郎氏は「調査結果がプラスと出ているのに『横ばい』という見出しをつけるのは、はっきり言って、おかしい。素直な見出しをつければいいのに、それができないのは『安倍たたき』という意図に反するからではないか。朝日新聞の常套(じょうとう)手段のように感じる」と語った。

 『日本の政治報道はなぜ「嘘八百」なのか』(PHP新書)の著書もある評論家の潮匡人氏も「今回の数字を見ると、内閣支持率は下げ止まったのだろう」と分析した。そのうえで、「この結果を受けて、一喜一憂すべきではない」といい、国民の信頼を取り戻すための「努力」「結果」を求めた。
 政権幹部も気を緩めてはいないようだ。

 安倍首相は5日、支持率の一時下落について、「政権発足以来、少しずつ成果が出て、確かに自分の気持ちにおごりが生じたかもしれない」と、テレビ番組で反省の言葉を述べた。菅義偉官房長官も6日のNHK番組で、「至らない点やおごりが出てきた。答弁が二転三転したこともあった。反省し、謙虚に丁寧に説明して国民の理解を得たい」と語った。

 朝日報道は、政権の緊張感を維持するにはプラスかもしれない。

http://www.sankei.com/affairs/news/170814/afr1708140011-n1.html
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朝日新聞7日付朝刊。支持率が2ポイント下落したら、どんな見出しを付けるのか?