屈強な男に囲まれた山口組のトップに、突然、詰め寄った男たち。その手には、サイン色紙が。狙いは何なのか、現場は緊迫した。
物々しい雰囲気に包まれた、兵庫県のJR新神戸駅。
警察官が警戒にあたる中、改札の前には、大勢の男たちが。
彼らが手に持っているのは、色紙。
いったい、誰を待っているのか。

ボディーガードに囲まれ、新神戸駅に現れたのは、日本最大の指定暴力団・山口組のトップ・司 忍こと、篠田 建市組長(74)。
直系組長が集まる定例会に参加するため、神戸市を訪れた篠田組長。
そして、駅を出ようとしたその時、突然、男たちが、篠田組長に向かって、大声でサインを求めた。

警察によると、この男たちは、対立する指定暴力団・神戸山口組の関係者とみられ、挑発するため、集まった可能性があるという。
2015年8月、篠田組長に反発した山口組の有力団体・山健組などが、新たに神戸山口組を結成した、山口組分裂騒動。

全国各地で、抗争が相次ぎ、今も、収束するめどは、立っていない。
4日も、神戸山口組系暴力団の幹部2人が、8月、宮崎市の路上で殺害された山口組系元暴力団組員・本田真一さんの友人2人に対し、数人で顔や胸を殴るなどした集団的暴行の疑いで逮捕された。

この事件をめぐっては、宮崎市の神戸山口組系暴力団・志龍会の会長など7人が、すでに逮捕されている。
分裂騒動以降、篠田組長の周りは、不測の事態に備え、絶えず、屈強な山口組系の直系組長などが固めていて、近づくことはできない。

そんな中で起こった、5日のサイン騒動。
神戸山口組の関係者とみられる男たちは、篠田組長に詰め寄ったが、警察官に制止され、大きな騒動にはならなかった。
山口組の定例会は、予定通り行われ、幹部同士のあいさつが行われたとみられている。

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20160905-00000337-fnn-soci