https://susumu-akashi.com/2015/08/dialect/

弘前大教育学部の松本敏治教授は、社会性の障害について別の観点から調査し、自閉スペクトラム症の人は方言ではなく共通語を使う、との調査結果を発表しました。

自閉症スペクトラムの人、方言使わぬ傾向 弘前大教授ら調査 - ニュース - アピタル(医療・健康) はてなブックマーク - 自閉症スペクトラムの人、方言使わぬ傾向 弘前大教授ら調査 - ニュース - アピタル(医療・健康)

教授は「自閉症の人は津軽弁でなく、共通語を使う」と聞き、青森、秋田、さらに京都、高知、鹿児島など全国6地域にアンケートを実施したところ、やはりASDでは、定型発達・知的障害より「方言使用が少ない」との回答が多く寄せられたそうです。

この理由について、松本教授は、ASDの子は、テレビなどで繰り返される印象的なフレーズを背景抜きに丸ごと覚えて使っていると推測しています。

東北文化学園大の藤原加奈江教授は、別の意見を持っていて、ASDは複数の対象に注意を向けるのが苦手なので、言葉そのものと同時に疑問や感情、方言を表現するイントネーションにも気付くことが難しく、方言習得が困難である可能性もあると指摘しています。

そして、方言を話さない傾向は、知的障害を伴わずに社会生活を送っている一部の高機能ASDに限られるのでは、とも考えているそうです。

方言の使用は、相手への親しみを表現していて、いつでも共通語を使うのは、よそよそしいと感じられる場合もあるので、方言の使用が少ないのは、ASDの人が定型発達の人とコミュニケーションしにくい要因のひとつとなっているのかもしれません。

わたしも、個人的な感想として、知り合いのASDの友人が、確かに表情模倣や、方言が少ないなあ…と感じていたので、興味深く思いました。こちらが大笑いしていても視線を合わせず、表情を変えずに会話したり、妙に堅苦しい言葉を使ったりする感じがしていました。

すべての人に言えるわけではなく、あくまで一部のASDに見られる傾向にすぎないとは思いますが、背景に何らかの理由がありそうですね。