★☆・゜【Short Ver.】【J 環境・気象関連@】【観測史上最多】なぜ記録的な大雪に?【2/5〜6】【中央区】★☆・゜

中央区では、今月6日の午後2時までの24時間に降った雪の量が60cmと、1999年に統計を取り始めてから最も多くなりました。

◆気象衛星「ひまわり」が撮影した6日午前9時の画像
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石狩湾から札幌市に向けて発達した雪雲が流れ込んでいる様子が分かります。

◆北西の風
北海道では、冬の時期、シベリアから冷たく乾いた空気が流れ込み、暖かい日本海で水蒸気を補給して雪雲を作ります。
今回、雪が強まった2月5日から6日にかけては、石狩湾上空には平年より4度から5度ほど低いー25度ほどの寒気が流れ込んでいました。
一方で、日本海の水温は平年並みか、平年を少し上回る温度。大きな温度差から、雪雲が発達しました。
さらに、積丹半島方面からの西風と、石狩北部沿岸からの北風、内陸部からの東風がそれぞれ石狩湾に吹き付けたことで、
雪雲が集まった状態になりました。

「北西の風が吹くと、石狩湾の雪雲がスポット的に札幌方面に流される」(佐藤予報官)風向きが少しでも変わると、雪雲は別の場所に向かいます。
ふだんは、より南や東に流され、北海道でも豪雪地帯として知られる、倶知安や岩見沢方面に大雪をもたらすとのことです。

◆記録的大雪の大きな要因
北西の風が短時間に2度、吹いたということです。1時間ごとの降雪量を示したグラフを見ると、降雪のピークが2度あったことがよく分かります
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一度目は2月5日の午後10時までの3時間。19センチの降雪となりました。
二度目は2月6日の午前11時までの3時間。24センチの降雪となりました。
24時間の間に強い降雪が2度あったことで、24時間の合計の降雪量が60センチと、統計を取り始めてから最多となったのです。

◆大雪の予測は難しい
北海道の都市部以外の場所では、12時間で50センチの降雪が見込まれる時に、警報を出すとしています。
いっぽうで、札幌など都市部では、交通機関への影響を減らす観点から、6時間で30センチ、
あるいは12時間で40センチと見込まれる時に出すとしています。

5日の夜は、午後10時までの3時間に19センチの降雪を記録。レーダーによる雪雲の動き(作成:札幌管区気象台)
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気象台では「警報級」に近いとみていましたが、夜遅くになって風向きが北西から西風に変わり、雪雲は東に移動しました。
札幌でのそれ以上の降雪が見込まれないことから、警報は出しませんでした。結果的に、午後10時までの6時間の降雪量は22センチでした。

6日は、午前9時すぎから雪が一気に強まり、10時まで1時間に4センチを記録。レーダーによる雪雲の動き(作成:札幌管区気象台)
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雪の強まりと、石狩湾から札幌に流れ込む雪雲の状況を見て、6時間で30センチを超えると予想し、10時6分に警報を出したということです。
結果的に、正午までの6時間の降雪量は29センチでした。