オミクロン株が「救世主」に? そろそろコロナ終焉に備える時か
パンデミックは約2年で終わってきたという事実
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/68044
オミクロン株はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)パンデミックを終わらせるかもしれない。

 パンデミックの発生が科学的に証明されるようになったのは1900年以降のことだ。主だったものは3件ある。まず最も有名で、かつ被害も甚大だったスペインインフルエンザ(1918〜1919年)。世界が混乱していた第1次世界大戦中に流行が始まったことも相まって、死者数は4000万人以上に達したとされる。次がアジアインフルエンザ(1957〜1958年)。中国から流行が始まり、1957年4月には香港へ到達、その半年後には世界中で症例が見られるようになり約200万人が命を落としたとされる。その次が香港インフルエンザ(1968〜1969年)。比較的緩やかに伝播していったが、それでも世界での超過死亡は約100万人だったという(WHOの資料ほかより)。

では、これらのインフルエンザはなぜ終焉を迎えたのか。

「感染力が高く、かつ重症度の低い株」、すなわち「多くが罹患し、しかし重症化しない株」が重症度の高い株を駆逐するパターンが多かったと言われている。たとえばスペインインフルエンザは世界中に広まったあと、毎年現れる弱いインフルエンザへと変わっていった。

ちなみにスペインインフルエンザのウイルスは今も残っている。1920年代に人類の多くが免疫を獲得したことで流行は終わったが、その後、このウイルスはブタのなかで生き残った。2009年にパンデミックを起こしたH1N1型は、スペインインフルエンザのウイルスと同根とみなされている

すると、現在、脅威とされているオミクロン株に関しても、こんな見方ができるはずだ。この株は「感染力が高く、症状は軽い」と言われている。南アフリカ国立伝染病研究所のゴットベルク医師は、世界保健機関(WHO)主催の12月2日のオンライン記者会見で「オミクロン株の再感染やワクチン接種者の感染による症状は軽度だ」と述べ「ブレークスルー感染で重症化しない」としている。もしこの株が重い症状を持つ株を駆逐すれば、COVID-19は、毎年現れる弱いインフルエンザへと変わっていく可能性があるのではないか・・・。