【Short Ver.】★☆・゜☆【J 環境・気象関連B】 <札幌市内の「雪」を「地域ごと」に考える>【札幌市】★☆・゜☆ 
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日本国内の都道府県庁所在地の中では、青森市に次いで(ほぼ同じ)雪の多い都市である札幌市。
市内では、どの地域であっても冬場は毎年比較的多くの雪に覆われ続けますが、
毎年の降雪量や、あるタイミングで降る雪の量を見て行くと、地域ごとに一定の違いも見て取ることが可能です。

<札幌市内で「雪が多い」所は?>【山地・市内北部】
<札幌市内で「雪が少ない」所は?>【白石方面など】
https://i.imgur.com/Dc5R1Vq.png

多くの日本海側の地域では、まちの中心または海沿いへ行くほど雪が減る。
というイメージで語られる(例:金沢市や新潟市など)ことが多いですが、気温が十分に低く、
海沿いほど雪が降りやすい札幌については、必ずしもそういったイメージは通用しません。

札幌の都心部は、市街地全体で見た場合「海からの距離」がちょうど中間的な距離であり、
白石区や豊平区・清田区のように遠いとも、北区のように近いとも言えない地域です。
都心部である中央区一帯・厚別区・西区の標高の低い市街地・手稲区・東区の南側・南区の都心側に近い
市街地などは、状況に応じ一定の差はありますが、平均すればさほど大きな積雪量の差は見られない場合が多くなっています。

◆地域ごとの「雪が降りやすい条件」は◆
札幌市内で降る雪は、その大半は「冬型の気圧配置」に関するもので、シベリアからの強い寒気の流れ込みによって、
日本海で雪雲が発生し雪を降らせるパターンがほとんどです。

但し、「冬型の気圧配置による雪」といっても、雪雲が流れて来る向き(風向き)の状況次第で
「どこで雪が降りやすいか」は全く異なる場合があります。

◆風向きと雪の傾向
https://i.imgur.com/31kLSom.png

札幌では、年による差はありますが「西北西」の風となることが近年特に多く、市内に雪雲が流れ込みにくい状況も目立ちます。
このような場合、市内では北区の一部では雪が比較的降りやすくなることがある一方、それ以外は晴れ渡ることが多く、天候の差は際立ちます。

なお、「冬型の気圧配置」による雪は、冬型が緩みかけた場合に発生することが多い
「石狩湾小低気圧」という渦を巻く強い雪雲が発生した場合や、海上で異なる風向きの風がぶつかって
雪雲が発達した際(西岸収束帯)に、特に強く降ることがあります。

また、強い冬型の気圧配置であれば、風に乗って内陸部まで雪雲が流れ込みやすい一方、
冬型の気圧配置が緩みかけて風が弱くなっている場合は、沿岸部に近い手稲区・北区・都心一帯だけ
で雪が増えることもあるなど、風の強弱にも応じてそのパターンは非常に多岐に渡ります。

札幌市内の雪事情は、風向きが最も基本的な決定要因で、それに加えて上記のような各種のパターンが加わることで、
地域ごとに・各年ごとに様々な積雪・降雪の状況を作り出しているのです。