自動車部品業界は暗いトンネルの先に光が見えてきたようにも見える。
 ただし、企業によって強弱はある。強いのはやはりトヨタ系で、東海理化やフタバ産業など中堅各社でも、中間期では営業赤字だったが通期では黒字に転換すると見込んでいる。
 2021年1月に日立オートモティブシステムズとホンダ系部品メーカー3社が経営統合して誕生する「日立アステモ」に合流しないジーテクトやエフ・シー・シーなどホンダ系サプライヤーも、中国などの需要回復で業績を取り戻した。
 出遅れているのはユニプレス、河西工業、ヨロズなどの日産系サプライヤーで、コロナ以前から長く続く日産自動車の業績低迷が影を落としている。6月に事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請したサンデンホールディングスのように再建を法的な救済に委ねる企業も出ており、トンネルを抜けた先で業界の優勝劣敗、再編が一層進むのを予感させる。

自動車部品業界はトヨタ系の本拠地愛知県は業績が完全に回復したが日産系の自動車部品会社は日産自動車の業績低迷が影を落として業績の回復が遅れている。
愛知県の圧勝。