NTT西、新本社に新興企業との連携拠点

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NTT西の小林社長は「大阪・京橋をベンチャー企業が集う街にしたい」と語った
NTT西日本は2021年中にも移転する大阪・京橋の新本社に、スタートアップ企業との連携拠点を設ける。教育や観光、農林業などの分野でサービスを共同開発する。地域限定の高速通信規格「ローカル5G」も活用する方針。主力だった固定電話の収入が減る中、新規事業を育て増収基調への転換を図る。

小林充佳社長が4日までに日本経済新聞の取材に応じ「大阪・京橋をベンチャー企業が集う街にしたい」と構想を明らかにした。
22年に開学し京橋エリアに新キャンパスを構える予定の大阪公立大学など大学とも協業したい考えだ。小林社長は「(スタートアップへの)出資も検討する」と話した。

一方、大阪城公園近くの現本社ビルが建つ土地は引き続き所有する方針。「大阪の活性化につながる施設に建て替える」(小林社長)といい、用途はホテルなどを検討する。

売上高にあたる営業収益は2021年3月期で前期比微増の1兆4380億円を見込む。「巣ごもり消費」で電子コミックの配信サービスなどが伸びるが、1999年の設立直後から減収傾向は変わらない。
固定電話の利用減のほかインターネットの光回線サービス「フレッツ光」も同業との競争が厳しく、新たな収益基盤の構築が課題だ。

NTT西は人工知能(AI)カメラを使ったスポーツ中継やドローンによるインフラ点検など新規事業の立ち上げを急ぐ。小林社長は「一過性でなく今後も増収基調を保ちたい」と話し、26年3月期には営業収益を1兆5000億円に増やす目標だ。