カタールメディアのアルジャジーラはこのほど、2017〜19年にかけて、中国高官や富豪ら約500人が欧州連合(EU)加盟国のキプロスの「ゴールデンパスポート」を取得し、移住したと報道した。実際のところ、高官や富豪だけではなく、中国の一般市民も海外移住を急いでいる。

「今逃げなければ間に合わなくなる」

米ラジオ・フリー・アジア(RFA)8月26日付によると、中国人富豪の張さんは「海外移住、または外国のパスポートを取得した高官は数百人どころではない」と話した。「中国に訪れる危機を目にしているからだ」

「この危機は、血迷っている当局の指導者の衝動によってもたらされた。これによって多くの人々は、数十年蓄積してきた財産と努力の成果を失うだろう。皆は、家族の健康と子どもの将来を犠牲にして、中国共産党の指導者の狂気に付き合うことができないからだ」

張さんの多くの友人らも、資産を海外に移し、移民した。「なぜなら、今中国から逃げなければ、もう間に合わなくなるだろう。彼らは国内の資産を売却して、海外に投資している。国内にとどまると決めた他の友人は将来、資産が目減りするという現実を突きつけられるだろう」

RFAによれば、ここ5年間、すでに数多くの富豪やビジネスマンが海外に資金を移し、移民した。その中には中国当局の汚職官僚も含まれている。

米に亡命し、サイパン島に住む孔園峰さんは、「中国当局の汚職官僚は海外逃亡の際、共産党体制の異見者を装い、党の機密文書を持ち出すことがある」と語った。孔さんによると、汚職官僚が、気功グループ、法輪功学習者に対する中国当局の弾圧政策の機密文書を持ち出し、亡命先の国の政府に提出すれば、亡命が認められる可能性が大きい。