名古屋大学 福和教授インタビュー

地域の歴史を知ることは、減災にどう役立ちますか。

 住む場所を選ぶときに、その土地の成り立ちや災害史を調べて参考にするのです。
地盤は土が堆積して時間が経つほど固くなる。つまり、昔からある台地や丘陵といった場所は地盤が固くて安全です。
土が堆積してからの歴史が浅い低地ほど地盤が軟らかく、特に川や海、ため池を人工的に埋め立てた土地が危ないのは言うまでもありません。

――東京だと、どの辺りを選ぶといいのでしょうか。

 古くから人が住んでいた武蔵野台地や、都心でも紀尾井町など高台になっている場所は
地盤が固いと思っていいでしょう。反対に、かつての平川、日比谷の入り江だった場所などは危険です。

 直下型だった安政江戸地震では、今でいう大手町、丸の内、有楽町、日比谷、新橋、芝といった
江戸から東側の埋め立て地の建築物がこぞって大きな被害を受けました。しかしいま、
このあたりは大企業の集積地であるどころか、電力会社やガス会社の本社、気象庁、消防庁などインフラを支える施設が多く拠点を構えています。

 スカイツリーやオリンピックの開催予定地も、よくもあんなに地盤が軟らかい危険な場所を選んだなというのが、私から見た率直な感想です。