2019年9月30日(月)
カジノ調査 都が6千万円超を支出

http://jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-09-30/2019093004_01_1.html

 東京都が臨海副都心青海(あおみ)にカジノを中心とする統合型リゾート(IR)や国際会議場・展示場(MICE)を誘致することを想定して、11件の調査報告書を作成し6566万円(表)を支出していたことが29日、本紙の取材で明らかになりました。(岡部裕三)

 調査報告書は、2012年度から18年度にかけて港湾局(10件)と政策企画局(1件)が民間コンサルタント会社に委託して作成、報告書の分量は約1360ページです。
このうち非公表の報告書は5件あり、本紙が港湾局に情報開示請求を行い、入手しました。

 非公表報告書は、青海地区北側(台場の南側)にIRやMICEを整備することを想定し、施設配置と規模、建設費、売上高などを試算し完成予想図も付けています。
シンガポールの巨大カジノ・マリーナベイサンズ(米ラスベガス・サンズが運営)をモデルにして、カジノ併設、カジノなしMICEなど数パターンを検討、カジノ併設型を優先順位の1位に挙げています。

 最初にカジノの完成予想図を描いたのは、ロンドンに本拠地を置く大手コンサルタント会社・PWC(プライスウォーターハウスクーパース)。
12年度報告書はIR事業者にヒアリングしてカジノを2カ所(2・5ヘクタール)、国際会議場・展示場の規模を7・5ヘクタールとし、カジノはMICE機能を財政面で下支えすると強調しています。

 三菱総研の報告書は、IR候補地として築地市場跡地、青海地区北側、品川・田町間の3カ所を比較検討し、青海が最適と評価。IRの建設費は最大3600億円と試算、カジノを外国人専用にすると事業採算性が悪くなると提言しています。

 みずほ総研の報告書は、青海地区にカジノ(1・5ヘクタール)を併設した高級ホテル、展示場・会議場4・2ヘクタール、商業施設などの整備を提言。カジノは“MICEを支えるエンジン”とし、建設費は最大で3527億円と見込んでいます。