広がる「名古屋駅エリア」 高層から「ヨコ」へ
(リニア時代へ変わる名古屋)
日本経済新聞 2018/10/1 11:00 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3588588028092018940M00/

 名古屋で商業の中心地の地位を築きつつある「名駅エリア」が膨らみ始めた。
名古屋駅直結型の再開発が昨春のJRゲートタワー全面開業でほぼ一巡。これ
まで駅直結の高層ビルが主体の「タテ」の開発だったが「ヨコ」に広がってきた。
名駅が「街」へ脱皮する可能性を秘めた動きだ。

■買い手は誰に

 名古屋駅から南へ15分あまり歩くと、オフィスビルに囲まれた広大なコインパー
キングが現れる。1970年ごろまでパナソニックの工場だった跡地で、今夏に
長谷工コーポレーションが約200億円で取得した。

 敷地面積は約1万5000平方メートル。「名駅周辺ではまとまった広さの土地は
見つかりにくい」(地元の不動産関係者)。1月にこの土地が売りに出たという噂が
流れると、誰が買い手になるのかに関心が集まっていた。

 長谷工コーポは「マンションなど堅調な需要で市場として魅力があり、次の事業
用地として取得した」と説明する。同社が得意とするのは高層マンション。現地は
商業用地のため商業施設、オフィス、ホテルなどが入居する複合ビルも建設可能
だが「用地の活用法は未定」(広報)という。

 中小規模のビル開発も増えている。名駅近くの商業施設跡地に2021年までに
三井不動産が「(仮称)名古屋三井ビルディング北館」を建設する。三菱倉庫と
名古屋鉄道はJPタワー名古屋の近くの場所で新ビル計画「(仮称)名駅一丁目計画」
を進める。いずれも低層階が商業施設、中高層階がオフィスになる。

 駅直結の高層ビルの開発が主体だった名駅エリアで低層の中小ビルの建設が増え、
開発がヨコに広がるなか、課題もある。

■誘客に苦戦

 「名駅近くに商業施設が相次ぎでき、違いを出せるテナントの誘致がうまくいっ
ていない」。名古屋駅から1キロメートルほど北で4社が参加する「ノリタケの森地
区計画」の関係者はこう明かす。

 計画は総面積11万8000平方メートルの土地にマンションやショッピングセンターが
建つ内容だ。17年に着工する予定だったが、今も更地のままで車両の出入りもほぼない。

 駅からの人の流れを作り出せるかどうかも未知数だ。JR名古屋駅から通りを挟んだ
反対側に建つ大名古屋ビルヂングに入居する中型商業施設「イセタンハウス」の17年
度の売上高は微減。直結するJR名古屋高島屋が同2割増だったのと対照的だ。

 不動産サービス大手、CBRE(東京・千代田)の大上英男シニアディレクターは「名駅
前の通りを挟んだ東側という立地のため、人の流れをつかめていない」と分析。駅にほ
ぼ直結した商業施設でも誘客には苦戦しているのが現状。名駅が「街」に脱皮するため
の大きな課題になっている。(浅山亮)

名駅周辺の再開発
https://www.nikkei.com/content/pic/20181001/96958A9F889DE1E7EAEAE7EAEAE2E0EAE2EBE0E2E3EAEBE6E29FE2E2-DSXMZO3588585028092018940M01-PB1-3.jpg