「住みたい街」1位の横浜よりも住みやすい隣駅「桜木町」の魅力
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180326-00000004-moneypost-bus_all

 住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。
憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は、「桜木町」(神奈川県横浜市)について、ライターの金子則男氏が解説する。

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 毎年大きな話題になる「SUUMO住みたい街ランキング」で、今年大きな“事件”がありました。
2010年にスタートしたこの調査で、これまで1位に輝いたことがあるのは吉祥寺と恵比寿だけでしたが、「2018」では横浜が1位に輝いたのです。
桜木町はその横浜の隣駅ですが、個人的には桜木町は、横浜と同等かそれ以上に魅力的な街だと思っています。

 基本情報からたどると、桜木町を通っている電車は、JR根岸線と横浜市営地下鉄ブルーラインの2線。
ただし根岸線は京浜東北線に乗り入れており、横浜線への直通電車も多く、バリエーションはあります。
かつては東急東横線の終点で、自由が丘や渋谷まで1本で行けましたが、みなとみらい線の開通に伴い、東横線の横浜〜桜木町間は廃止に。
ただし、みなとみらい線の馬車道駅までは200m程度なので、そう不便になったわけではありません。

 道路状況は「まあまあ」です。横浜駅(東口)まではほぼ一直線に道路が通っており、ほんの数分の距離。
みなとみらい地区は区画が広々としていて、歩いて回るとくたびれ果てますので、車があると便利です。
一方、駅の西側の野毛山方面は道路がかなり複雑です。急坂も多いので、マニュアル車の方は坂道発進に要注意。
ただ、微妙な距離の元町、とにかく坂の多い山手、バスしかない本牧など、遊びたいスポットは多いので、車は欲しいところです。

「横浜駅が1位」になったのはイメージの象徴か

 SUUMOの調査は、「都道府県→沿線→駅の順で選択肢を絞り込む」という方法で行われています。
あくまでも推測ですが、「横浜」と回答した人の多くは、みなとみらい、山下公園、大さん橋、中華街、元町、横浜スタジアム……そういったイメージの象徴として「横浜駅」を選んでいるのではないでしょうか。
というのも、「横浜が1位」といえど、「横浜駅」が住みやすい場所だとは思えないためです。
まず「最寄り駅が横浜」という条件で言えば、東口には住む場所はありません。西口に行けば、浅間下や平沼橋方面にマンションや戸建てはありますが、「横浜に住みたい」と回答した人が、その一帯を想像しているとは思えません。

 横浜という街の中心がどこかと言えば、「横浜駅」「ランドマークタワー(の周辺)」「伊勢佐木町」など、意見は割れそうですが、桜木町はその全てが堪能できる場所にあります。
みなとみらいや伊勢佐木町・関内方面は徒歩圏内ですし、横浜駅までも1駅。
しかも駅前には「野毛」という一大飲食店街が広がっており、バラエティ豊かなそのラインナップは、呑ん兵衛ならずとも楽しめます。

 桜木町駅の「ワンルーム・1K・1DK」の家賃は7.30万円(ライフルホームズ調べ)と、それなりの値段ですが、徒歩6〜7分の京急・日ノ出町駅なら6.97万円と家賃は下がり、野毛山方面にもお手頃物件はあります。
遊ぶところが多く、飲食店も充実、物価もそれほど高くなく、桜木町は住みやすい街ではないでしょうか。