夏休み「満室」だった名古屋のホテル レゴランドなどけん引
日本経済新聞 2017/9/13 7:01
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO21045220S7A910C1L91000/

 7〜8月の夏休み期間、名古屋市内の主なホテルの稼働率は8割を超え、
ほぼ満室状態だったことが分かった。テーマパーク「レゴランド・ジャパン」の
開業や、ロボットの世界競技会「ロボカップ」の開催などが背景にある。一方
で、ホテルの予約が取りづらいため「民泊」を選ぶ旅行客も増加。今後はホ
テル新設も相次ぐ予定で、競争は激しくなりそうだ。

 シティーホテルは「名古屋観光ホテル」や「名古屋東急ホテル」など宿泊費
が中〜高価格帯の主要な17軒を集計した。

■「ロボカップ」や「関ジャニ」も影響

 平均稼働率は7月に86.8%で前年同月比1.1ポイント減だった。8月には88.6
%で同2.4ポイント増と、4カ月ぶりにプラスに転じた。両月とも、「ほぼ満室」で、
予約が取りにくいとされる目安の8割を超えていた。

 名古屋駅、伏見、栄、金山の4エリアに立地する主要なビジネスホテルの8月
の平均稼働率は4エリアとも90%を超え、前年同月比で3〜6ポイント上昇。
100%を記録したホテルも数軒あった。

 7月末に開催された「ロボカップ2017名古屋世界大会」関係者の宿泊が増え、
前年から減った中国の団体客の一部を補ったとみられる。

 夏休み本番の8月はレゴランドを目当てにした家族連れが増加。観光地として
名古屋全体が注目され、「名古屋城や水族館など周辺のレジャー施設に足を運
ぶ旅行客も多かった」(ホテル関係者)という。

 8月初めにはアイドルグループ「関ジャニ∞」のコンサートがナゴヤドーム
(名古屋市東区)で開かれ、ファンが全国から集まった。「ロイヤルパークホテル 
ザ 名古屋」は7、8月の宿泊客数の合計が前年に比べ600人増えたという。

 一方、割安感と利便性から、民泊に流れる傾向も出ている。ロボカップ関係者
には、ネット関連に強い技術者らが、専用サイトやスマートフォンの専用アプリ
などで予約する民泊を利用するケースが目立ったという。

■新たに20軒、稼働率に影響も

 秋の行楽シーズンを迎える今月以降は学会の開催なども多く、ホテルは繁忙
期を迎える。名古屋駅西側で簡易宿泊所の「ファーストキャビン TKP 名古屋
駅」が開業し、10月には名古屋駅南側に「名古屋プリンスホテル スカイタワー」
がオープンするなど、来夏まで新たに約20軒が開業する。

 価格帯が数千〜2万円程度とばらつきが少なく、現在は高稼働率が続く名古屋
のホテルだが、相次ぐ新規開設が影響を及ぼす可能性がある。宿泊客の多様な
ニーズに応える工夫がこれまで以上に必要になりそうだ。

名古屋市内のホテル稼働率
http://www.nikkei.com/content/pic/20170913/96958A9E889DE0E3E2E6E7E0E0E2E3E0E2EBE0E2E3E59EEBE3E2E2E2-DSXKZO2104523012092017L91000-PB1-2.jpg