京都には世界の全てがあった
http://suumo.jp/town/entry/kyoto-pha/
京都に住んでいたときは終電なんて気にしたことがなかった。自転車や徒歩でほとんどの場所を移動できたからだ。

今は東京に住んでいるのだけど、都市の規模や構造としては京都くらいがちょうど良かったな、ということをよく思う。
京都はそれなりに人口の多い都会なので、必要な店などは大体なんでもそろっていて不便はない。
そのわりには規模が大きすぎず、土地が平坦で道路が碁盤の目状に交差していて分かりやすくて、自転車で移動するのがとても便利だった。

東京は何でもあって面白いのだけど、ちょっと大きすぎるし人が多すぎる。
首都圏の交通網は発達していて電車でどこにでも行けて便利だ。
でも、結局どこに行くにも電車を乗り継いで30分から1時間くらいかかってしまって、移動が結構面倒臭い。
人が多いので電車も混んでいてあまり乗りたくないし、そうすると結局自分の家の近く以外にあまり行かなくなってしまう。
同じ東京に住んでいる友達でも沿線が違うとおっくうになってあまり会わなくなる。自転車で気軽に友達に会いにいけた京都が懐かしい。

あと、東京は道が複雑で坂や車の数も多いので、自転車で動くにはあまり向いていないように思う。
そう考えると、京都より東京のほうが大きい都市だけど、京都にいたころのほうが都市全体を広々と活用できていた気がする。
京都が一つの都市だとすると、東京はたくさんの都市の集合体という感じがある。

京都の良いところは、街がコンパクトにまとまっていて動きやすいだけでなく、文化的にとても充実しているところだ。

観光的によくイメージされるのは「神社仏閣」「歴史遺産」「伝統工芸」だが、現代的な美術展やライブなども開催される。
買い物をする商業施設は一通りそろっているし、質の良いカフェやレストランもたくさんある。
京都という街は、現代的な都市としての面と、千年以上の歴史や伝統の蓄積と、数年ごとに入れ替わる大学生たちと、
世界中からやってくる旅行者や移住者などといった、さまざまな速度の時間の流れや人がミクスチャーされて渾然一体となっていて、
それがすごく面白い。

そして、それらの全てが徒歩や自転車で気軽にアクセスできる距離にあるということが何より重要だ。