名古屋市は、名古屋城天守から半径1キロ以内の建物の高さを「標高50メートル以下」に制限するなどの建築規制の方針を固めた。城からの見晴らしや城を望む景観を守り、観光資源としての魅力を保つ狙い。従来は規制の基準はなく、地権者らには反発もあるという。

 市が2日、市広告・景観審議会(会長=溝口正人・名古屋市立大院教授)にこうした規制案を諮問した。

 案は、名古屋城天守の展望室から見える街並みや山並みの景観を妨げないよう、原則として外堀通より北側で、天守から半径1キロ以内の建物の高さを標高50メートルに制限する。城内外から見上げる天守の背景に、建物が入り込まないようにする狙いもある。