「横浜の横浜です」

出身を聞かれたらそう答える、と教えてくれたのは30代の男性。昨年実家を出るまで、生まれも育ちも横浜。
実家は横浜駅から徒歩圏内だという。男性によれば、「マジのハマっ子と言えるのは、横浜駅に歩いていける人だと思います」。
冒頭の「横浜の横浜」は、「横浜(市内)の横浜(駅周辺)」の意味なのだ。お酒を飲むことが好きで「裏横の飲み屋コミュニティが自分の生活の中心」と話す男性にとって、「地元」とはこのエリアのことを指しているようだ。
「裏横」こと裏横浜とは横浜駅東口の高島・平沼・戸部エリアのことで、小ぢんまりとした個性あふれる店がそろう。裏原宿、奥渋谷などの横浜版と考えればいいだろう。

同じ横浜市でも区を隔てればまったく別の場所、という認識だが、これは何もこの男性に限った話ではない。


横浜ヒエラルキーのトップに君臨する中区に住む人は、どんなプライドを持っているのか。
中区でも「別格」とされるのが高級住宅街・山手だ。山手のカトリック教会の幼稚園に通っていたという40代の女性が話す。

「父もハマっ子で、両親の結婚式は、ホテルニューグランド(※昭和2年創業のクラシックホテル。横浜の歴史を伝えるシンボルと言われる)でした。
当時はデイリークイーンというソフトクリーム屋さんとか、ジャーマンベーカリーというパン屋さんがありました。
幼稚園の帰りにユニオン(高級スーパー)でかわいいお菓子を買ってもらって嬉しかったのを覚えています」

http://diamond.jp/articles/-/133595