名鉄、今期の設備投資191億円、名古屋駅再開発に本腰
日本経済新聞 2017/5/11 7:05
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 名古屋鉄道は2018年3月期の設備投資(単体)を191億円と、前期より3%増やす。10日に
17年3月期決算などを発表。交通や宿泊、商業などの収益力を高め、27年をめどに開発する
6棟一体の大型再開発に向けて収益基盤を整える。

 今期の設備投資では、名古屋駅再開発における施設の具体化に向けた調査などに10億円
程度を充てる計画。周辺のビルを含めた6棟一体の再開発の費用は2000億円規模に膨らむ
との見通しもある。27年をめどに駅機能を整備する予定で、周辺ビルを含めた6棟一体の大型
再開発に本格的に取り組む。

 視覚障害者の転落を防ぐ点状ブロックの整備を進め、1日平均1万人以上の乗降客がある駅
での設置を完了させる予定。通勤型車両の新造や、一部特別車特急車両のリニューアルなど
も進め、鉄道の利用増につなげる。

 18年の開業を目指す中部国際空港セントレアホテル(愛知県常滑市)新棟の建設も進める。
ホテルやマンションなど不動産開発にも力を入れ、収益拡大を狙う。

 同日発表した17年3月期の連結最終利益は前の期比4%減の234億円と、7期ぶりの減益。
名古屋駅の大型再開発に伴い、名鉄バスターミナルの解体費用を引き当てたことなどが響いた。

 2期ぶりの減収となった営業収益を部門別にみると、交通事業は三河地区と名古屋を結ぶ路
線などが好調だった一方で、分譲マンションの引き渡し戸数が減った不動産、百貨店が減収と
なった流通が厳しい。

 流通はテナント誘致による収益改善に取り組んでいる。名駅再開発に伴う名鉄百貨店の存続
について安藤隆司社長は同日の記者会見で「単年度収支で将来を図るのは難しい。競争激化
と収益力減少が国内のトレンドなので、流通業の形態を見極めて数年内に決めたい」と述べた。

 18年3月期は増収最終増益を見込む。燃料費や人件費の上昇は減益要因だが、名古屋駅
エリアの活性化は名鉄の業績を下支えしそうだ。最終利益は261億円と過去最高を更新する見
込みだ。

 4月に名古屋駅でJRゲートタワーが開業するなど、再開発が相次いだことで名駅エリアが活
性化。4月の名鉄名古屋駅の乗降客数は3〜4%ほど伸びており「この傾向はしばらく続く」
(安藤社長)と分析している。

 訪日外国人客の増加も追い風になっている。中部国際空港と名古屋市中心部を結ぶ鉄道の
利用のほか、レジャー施設やホテルでも訪日客の取り込みが収益増につながる。「新たなビジ
ネスホテルを年1〜2施設つくっているが稼働率が良く、今期もホテル事業だけで6億円ほどの
増収を見込んでいる」(安藤社長)という。今後も首都圏や名古屋でのホテル開設を検討してい
くとしている。

名鉄の設備投資計画
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