某ブログより引用。これが地元の意見


今朝テレビ朝日のモーニングバードで名取市の復興計画の話題を観た。
行政対住民で事態が紛糾しているんだそうだ。
行政側は閖上地区を現地再建して高台移転を行わない方針だという。

津波被害に遭った沿岸部で住民の意思がひとつになるところなど人口の少ない過疎化の進んだ地区ぐらいなもので、名取市閖上地区のように人口の比較的多い地区では意思をまとめることなどできないと思う。
漁業関係者は現地再建派が多いだろうし、会社勤めの一般家庭は高台移転を望むだろう。

名取市は建築家の迫慶一郎氏の案を採用しているようで。
ネットで調べてみたところ、本人は経団連の住宅政策委員会に出席して説明もしている。
なんだか復興利権絡みな臭いがぷんぷんする。

復興プランで名を上げようとする建築家や学者連中が多すぎ。
バックに大物従えて偽善者の仮面をかぶってやってくるから性質が悪い。

閖上の海辺の一部を人工的に海抜20mにかさ上げして、そこにマンションや漁港、農業プラントなどを同居させた複合施設を建設するんだとか。

かさ上げした土地って弱いのに。
石巻渡波の長浜海岸の堤防や道路が崩れた場所があったけれど、あそこは昔、沢水が流れていた場所だったんだよね。
結局、いくら埋め立てても、元の地形に戻ろうとするし、もろいんだよ。
かさ上げした土地を津波がそのまま避けて通るとでも思っているんだろうか?
そしてそんな箱物を建てたところで、50年後、100年後に老朽化した時、建替え費用などはどうするんだろう?
そこまで考えてないだろう?

結局、建築家は自分の理想を他人の金で実現して発表したいだけ。
だいたい、漁師や農家がマンションに住むのか?
発想が非現実的だし、建築家の理想論というか机上の空論というか、現地のことを何も知らない都会人の考えることだよ。
漁師の気質と農家の気質って全然違うんだよ。
一次産業っていうくくりで一緒にするな。
そんな異なった気質同士がマンションに住めるわけがないし、第一、考えもしないと思う。
敷地面積100坪以上の家に住んでいて人が突然マンションに引越せって言われたらストレスでしょ。
私は震災後、東京へ引越してきたけれど、一戸建ての土地区画面積の狭さに驚いているし、よくもまあこんな狭い土地に建てるもんだと、こんなに狭いならマンションの方がましじゃないかと思ったりしている。

私としてはもう、不動産はこりごりというか、土地も家もいらないんだな。
津波で流された親戚連中や友達にしても、元の土地は諦めてさっさと別に土地を購入して家を建ててしまっている。

たぶん名取で今騒いでいる高台移転派の人達っていうのは、自力で引越す余力のない人達なんだろう。
その辛い気持ちも生活の苦しさも私には痛いほどわかるけれど、もう諦めるしかないんだよ。

今回の震災では、この世のすべての物は自分の物じゃないということがよくわかった。
たとえ今自分の土地や家であっても、自分の物ではないということなんだ。
自分の命さえ自分の物じゃない。
仮に預かっているだけのことなのだから、大切に管理して、消えてなくなったらそれだけのこと。

お金が絡むと見境がなくなる人が多すぎる。
辛いなぁ。