「中京都」戦略本部が初会合 

 大村秀章愛知県知事と河村たかし名古屋市長が共同公約に掲げる中京都構想の具体化へ向け、地元経済人や
有識者でつくる「中京独立戦略本部」の初会合が9日、市役所であった。次期衆院選の対応をめぐって2人の
すき間風も指摘される中、中京都の目指すべき方向性を話し合った。
 会合では「10年以上先をにらみ、ものづくりの技術革新がこの地域から育っていく土壌づくりを」(小沢哲・
トヨタ自動車副社長)など、製造業を軸にした街づくりを訴える声が出た。
 河村市長の「庶民に近い立場から意見を」との求めで、直前に本部入りした愛知県中小企業団体中央会の
鶴田欣也会長は「中小、零細企業が構想の主役になるつもりで取り組みたい」と意気込んだ。
 中京都構想は県と市の二重行政の解消や、徴税権など国からの分権促進をうたうが、2015年の実現を
目指して工程表が発表されている大阪都構想と比べ、具体像が見えていない。
 本部員の意見も歴史・文化論や、子育て論など多岐にわたり、全体として、まとまりに欠けた。写真家の浅井慎平
さんは「知事、市長が何を考えているのかまず聞きたい」と旗振り役の2人のリーダーシップに期待した。
 会合後の記者会見で大村知事は「初めての試みで、初めの2回ぐらいは意見を聞く立場。新年度になったら、テーマや
分野を絞ってやっていきたい」と説明。河村市長は知事と共同意見をまとめた「たたき台のたたき台のたたき台」を
次回までに作成すると述べた。
 次回は3月30日。年6回程度開き、半年ごとに途中経過をまとめる。

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012020990114925.html