多重債務者らに無登録で現金を貸し付けたとして元千葉県袖ケ浦市議らが逮捕された事件で、ヤミ金業者に個人情報を提供したとして、神奈川・千葉県警合同捜査本部は12日、貸金業法違反ほう助の疑いで、東京都港区、会社員渡辺和弘容疑者(44)を逮捕した。

 神奈川県警生活経済課によると、同容疑者は多重債務者らの借り入れ状況などの個人情報をヤミ金業者に販売する「名簿屋」の元経営者。合同捜査本部は全国最大規模となる約200万件の個人情報データを押収しており、2009年ごろから少なくとも約1億5千万円の利益を得ていたとみみて調べている。名簿屋を同容疑で摘発するのは珍しいという。

 逮捕容疑は、昨年3月8日ごろから8月8日ごろまでの間、座間市の男性会社員(51)ら6人の個人情報を提供するなどしてヤミ金業をほう助した、としている。同課によると、同容疑者は容疑を認めている。

 合同捜査本部の調べでは、同容疑者は千葉市内に事務所を設け、個人情報を売買する別業者から未公開株購入者などの情報を1件40〜50円で購入。インターネットなどで「貸し倒れを未然に防ぎます」などとヤミ金業者向けに宣伝し、顧客の約90社から電話で依頼を受け付け、1カ月5万円で100件分の個人情報を提供するなどしていた。